飲食店の集客方法|7つの手段の選び方と、売上につながる順番【2026年】
お客様を増やしたい。でも、グルメサイト、Googleマップ、広告、インスタと、やれることが多すぎて、どれから手を付ければよいか分からない。集客に悩む飲食店のオーナーや店長から、いちばん多く聞く声です。
集客の方法を並べた記事はたくさんあります。ただ、20も30も手段を並べられても、限られた時間とお金で全部はできません。大事なのは「自分の店は、どこでお客様を取りこぼしているか」を先に見つけ、そこに効く手段から順に手を付けることです。
この記事では、飲食店の集客を7つの手段に整理し、それぞれの向き・不向き、費用の形、効果が出るまでの時間を比べます。そのうえで、売上を分解して「どこから手を付けるか」を決める方法をまとめました。各手段の詳しいやり方は、それぞれの専門記事につないでいます。
書いているのは、飲食店のWEB集客を支援している株式会社STABBLEです。これまでに700店舗以上の飲食店を支援し、Google広告は通算1億円以上を運用してきました。当社は自社でも飲食店(モルゲン)を運営しています。支援する側と、店を回す側の両方の目線で書きます。
この記事の結論
- 集客の前に、売上を分解します。 売上=客単価×来店人数。来店が減っているのか、どの経路の来店が減っているのかが分かれば、打つ手は絞れます
- お客様がお店を知る経路は分かれています。 来店前の期待を作った情報源は、グルメ・口コミサイトが26.4%、店構え・店先のメニューが22.2%、知人の口コミが14.7%、SNSが11.1%でした(リクルート、2024年)
- 最初の一手は、お金のかからない土台から。 Googleビジネスプロフィールとグルメサイトの無料掲載を正しく整えてから、広告やSNSに進むのが、失敗の少ない順番です
- 新規だけでなく、再来店の仕組みも同時に作ります。 来店したお客様の声を集めて直す仕組みがないと、集客にかけたお金が流れ出ていきます
集客の前に、売上を分解する
「お客様を増やしたい」と思ったとき、最初にやるべきことは、手段を選ぶことではありません。売上がどこで落ちているかを見つけることです。
当社では、お店の売上を次のように分解して見ています。
| 分解の段 | 式 | ここが落ちたときに見ること |
|---|---|---|
| 売上 | 客単価 × 来店人数 | 客単価と来店人数のどちらが落ちたか |
| 来店人数 | 組人数 × 来店組数 | 1組あたりの人数が減ったのか(宴会・団体が減った等)、組数が減ったのか |
| 来店組数 | 各媒体の予約 + 予約なしの来店 | どの経路の来店が減ったか |
この表の一番下の段が、集客の手段と直接つながる部分です。たとえば「食べログのネット予約は変わらないのに、予約なしの来店が減った」なら、グルメサイトにお金を足しても効きません。店の前を通る人や、Googleマップで近くの店を探している人に届いていない可能性を疑います。
逆に、来店組数は変わらないのに売上が落ちているなら、問題は集客ではなく客単価や組人数の側です。この場合は、コースやプランの見直しのほうが効きます。
予約なしの来店には「電話」が紛れている
気をつけたいのが、予約なしの来店の中身です。グルメサイトやGoogleマップでお店を見つけ、ネット予約ではなく電話で予約したお客様は、媒体の管理画面では「予約」として数えられません。店の台帳では「電話予約」や「予約なし」に紛れます。
そのため当社では、予約なしの来店が減ったら、電話取得率(出られた電話÷かかってきた電話の総数)も確かめます。忙しい時間に電話に出られていないだけで、集客の問題に見えることがあるからです。
同じエリアの動きと比べる
もう1つ、売上が落ちたときには、同じエリア・同じ業態のお店の動きと自店の変化を並べて見ます。エリア全体が落ちているなら季節や街の人の流れの問題で、自店だけが落ちているなら自店の問題です。前の年の同じ月と比べて数%の揺れなら、季節の要因として扱います。
飲食店の集客方法7つの比較
お客様がお店を知り、来店を決めるまでの経路は、大きく次の7つに分けられます。それぞれ、向いているお店、費用のかかり方、効果が出るまでの時間が違います。
| 集客の手段 | 向いているお店 | 費用の形 | 効果が出るまでの時間(目安) | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|
| ① グルメサイト(食べログ・ホットペッパーグルメ等) | 宴会・コース・予約の多い店。駅前など競合の多いエリア | 無料掲載+予約1人ごとの手数料、または月額の有料プラン | 掲載した日から見られる。ページの作り込みで差が出る | グルメサイト比較、食べログのプランと手数料、ホットペッパーの掲載料 |
| ② Googleマップ(MEO) | すべての店。特に「駅名+業態」で探される店、訪日客の多いエリアの店 | 登録は無料。運用の手間、または代行の費用 | 情報を整えた直後から。順位の変化は月単位の推移で見る | MEOで集客する方法、MEO×インバウンド対策 |
| ③ Google広告 | 客単価が高い店、宴会・貸切を取りたい店、新店 | クリックごとの課金(上限は自分で決める) | 配信した日から表示される。来店の成果は数週間後に確定 | 飲食店のGoogle広告、Google広告運用 |
| ④ SNS(Instagram等) | 見た目で選ばれる店、若い客層の店、開業前の店 | アカウントは無料。投稿を作る手間、広告は別途 | 数ヶ月単位で積み上がる | インスタ集客の始め方 |
| ⑤ 自社サイト(ホームページ) | 広告の着地先がほしい店、貸切・宴会の問い合わせを受けたい店 | 制作費と維持費 | 作ってすぐは見られにくい。広告やGoogleマップと組み合わせて効く | 飲食店にホームページは必要か |
| ⑥ 店頭(店構え・看板・店先のメニュー) | 人通りのある路面店・1階の店 | 看板・メニュー表の制作費 | 変えた日から効く | ― |
| ⑦ リピート(再来店の仕組み) | すべての店。特に常連で回す居酒屋・個人店 | アンケートや会員の仕組みの費用と手間 | 数ヶ月単位。来店が積み上がって効く | リピート率の測り方と上げ方 |
「効果が出るまでの時間」は、当社の支援の経験から見た目安です。エリアや業態、元の状態によって変わります。
お客様は、どこで期待を作っているか
どの手段が効くかを考える手がかりになるのが、お客様側の調査です。リクルートのホットペッパーグルメ外食総研が2024年に行った調査(首都圏・関西圏・東海圏の20〜69歳、有効回答9,606件)では、初めて行ったお店への「事前の期待」を作った情報源は次のとおりでした。
| 期待を作った情報源 | 割合 |
|---|---|
| グルメサイト、口コミサイト | 26.4% |
| 店構えや店先のメニューなど | 22.2% |
| 家族・友人・知人等からの口コミ | 14.7% |
| SNS | 11.1% |
出典:リクルート「飲食店への期待と満足度、リピート意向についての調査」(2024年5月28日発表、2026年9月30日確認)
グルメサイトが1位ですが、2位は店構えです。つまり、WEBの集客だけでなく、お店の前を通る人にどう見えるかも、同じくらい大事だということです。また、SNSは全体では11.1%ですが、20代男性では26.2%、20代女性では28.1%と、若い世代では大きな経路になっています(同調査)。
同じ調査では、初めての来店で「期待を超えて満足した」人は37.5%が強いリピート意向を示した一方、「期待ほどではなかった」人では12.9%にとどまりました。集客で期待を上げすぎると、来店後の満足が下がり、再来店につながりません。集客の手段で伝えることと、お店で実際に出せるものをそろえることが、7つすべてに共通する前提です。
① グルメサイト:予約の受け皿を整える
食べログやホットペッパーグルメなどのグルメサイトは、「今夜どこで飲もうか」「来週の歓送迎会の店を探したい」という、すでに外食を決めた人が店を比べる場所です。予約まで一度に済むので、宴会やコースの予約を取りたいお店には、今も大きな経路です。
無料で載せられる。有料プランは「露出を買う」もの
多くのグルメサイトは、無料でも掲載できます。たとえばホットペッパーグルメのネット予約プランは月額の掲載料が無料で、ネット予約で来店した人数に応じて費用がかかります(夜は1人200円、昼は1人50円。ネット予約手数料には別途消費税。ホットペッパーグルメ 公式、2026年9月30日確認)。
月額の有料プランは、検索結果で上に出たり、特集に載ったりする「露出」を買うものです。食べログの場合、有料プランは月額10,000円から100,000円まで4段階あります(税抜。食べログ 店舗会員向け、2026年9月30日確認)。なお食べログは、有料サービスの利用の有無が点数やランキングに影響することは「一切ありません」と明記しています(同ページ)。
当社の見方:費用対効果は「その媒体のネット予約」だけで測る
グルメサイトにお金をかけている店で、よくあるのが「元が取れているか分からない」という状態です。当社では、媒体ごとの費用対効果を次の式で見ています。
その媒体のネット予約組数 × 平均組人数 × 客単価 ÷ その媒体にかけた販促費
ポイントは、分子をその媒体のネット予約だけに絞ることです。電話や自社サイトからの予約まで混ぜると、効果が大きく出すぎます。また、かけている費用が小さい媒体は、予約が数組動くだけで数字が大きく振れるので、あくまで目安として見ます。
予約が落ちたときは、原因を次のように切り分けます。
- ページの閲覧数が落ちた: 露出が足りない。特集への参加、上位の枠、Google広告を検討する
- 閲覧数は同じで、予約の割合(予約転換率)が落ちた: ページに問題がある。プランの中身、看板の写真、口コミへの返信を見直す
- 閲覧数は落ちていないのに、予約の割合が半分以下になった: 異常を疑う。ページの公開状態、予約の導線、計測の設定を確かめる
予約に占める割合が小さく、閲覧も予約も縮んでいる媒体には、お金を足しません。伸びている媒体に回します。
口コミは「数を増やす」より「読んで直す」
2026年は、グルメサイトの口コミにも変化がありました。ホットペッパーグルメは2026年1月29日に「おすすめレポート」を廃止し、満足した体験もそうでない体験も掲載する口コミに変えました。あわせて、直近1年間の口コミの平均点を週次で出す5段階の評点の導入も発表しています(リクルート プレスリリース、2026年9月30日確認)。
口コミを見返りと引き換えに頼むことは、各サイトの規約で禁じられています。当社は、口コミを「料理・味」「接客」「価格・コスパ」「雰囲気」など12のテーマに分けて読み、改善が必要なテーマが半分を超えたら、個々の接客ではなく店の品質の問題として扱います。口コミの詳しい扱い方は食べログの口コミの記事で解説しています。
② Googleマップ(MEO):すべての店の土台
Googleマップで「駅名+居酒屋」「近くの焼肉」などと検索したときに、お店が上のほうに出るよう整えることを、MEO(マップエンジン最適化)と呼びます。お店の情報はGoogleビジネスプロフィールという無料の仕組みで管理します。Googleは、ビジネスプロフィールの作成と掲載に「料金はかかりません」としています(Google ビジネスプロフィール、2026年9月30日確認)。
無料で、グルメサイトを使わない人にも届くので、当社はどの業態のお店にも最初の土台として勧めています。
順位を決めるのは「関連性・距離・知名度」
Googleは、ローカル検索の結果は主に「関連性」「距離」「知名度」に基づいて表示されると説明しています。お金を払って順位を上げることはできず、Googleは「ランキングを上げるためのリクエストや金銭の受け取りには一切応じて」いないと明記しています(Google ビジネスプロフィール ヘルプ、2026年9月30日確認)。
- 関連性: 検索された言葉と、お店の情報が合っているか。カテゴリ、メニュー、説明文の言葉
- 距離: 検索した人の場所から、お店までの距離。これはお店では変えられない
- 知名度: お店がどれだけ知られているか。クチコミの数や評価、ほかのサイトでの言及など
当社の調査:クチコミの「数」より「増えるペース」
当社は2026年9月に、97のエリアで「駅名+居酒屋」と検索したときの順位を調べました(5,217店、直近30日の中央値)。分かったのは次のことです。
- クチコミの件数がエリアでいちばん多い店が1位だったのは、97エリア中4エリアだけでした
- 順位との関係が見えたのは、クチコミの総数より、新しいクチコミが増えるペースでした
- 「駅名 居酒屋」で上位3位に入った店は、すべてメインのカテゴリが「居酒屋」でした
- 順位は、検索する場所によって変わります。また1回ごとに1〜2枠は入れ替わるので、1回の結果で一喜一憂せず、推移で見る必要があります
居酒屋なら、まずメインのカテゴリが「居酒屋」になっているかを確かめてください。業態を表す言葉がカテゴリに無いと、関連性の面で不利になります。
やってはいけないこと
Googleは、クチコミの投稿や変更と引き換えに、無料や割引で商品・サービスを提供することを「固く禁じて」います(Google ビジネスプロフィール ヘルプ、2026年9月30日確認)。「クチコミを書いたらドリンク1杯無料」はできません。
当社のMEOでは、検索キーワードごとの表示回数と順位を、店ごとに毎月同じ条件で記録し、13ヶ月の推移で見ています。打ち手は「何をするか」と「なぜか」を組にして提案します(副カテゴリの追加、メニューや属性の言葉をそろえる、低品質な写真の削除候補を出す〈削除は人が確認〉、店名・住所・電話番号の表記の統一など)。詳しくはMEOで集客する方法とMEO×インバウンド対策をご覧ください。
③ Google広告:「今探している人」に確実に出す
Google広告(検索広告)は、「五反田 居酒屋 個室」などと検索した人に、お店の広告を出す仕組みです。Googleマップの順位が上がるのを待たずに、配信したその日から検索結果に出せるのが強みです。
費用は、広告がクリックされたときにかかります。1回のクリックにかける上限(上限クリック単価)を自分で決められ、その額を上回る料金が請求されることはありません(Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。
当社の見方:成果は「来店」で測る
広告の管理画面では、クリック数や表示回数がすぐに分かります。ただ、飲食店にとっての成果は来店です。当社は、来店1組あたりにかかった広告費(CPA)を、1組あたりの利益と比べて判断します。悪くなったときは、クリック単価が上がったのか、クリックした人が来店する割合が下がったのかに分けて原因を探します。
注意したいのは、来店の計測は後から確定することです。直近の2〜3週間は「計測待ち」として扱い、数字が悪く見えても慌てて広告を止めません。
もう1つは、広告で約束したことと、着地先のページの中身をそろえることです。広告に「貸切○名まで」と書いたのに、クリックした先のページにその情報が無ければ、お客様は離れていきますし、広告が承認されない原因にもなります。
広告の運用を代行に頼むなら、手数料が広告費と分けて示されているかを確かめてください。Googleは、代理店などの第三者に、広告費を正確に報告し、それ以外の費用を明示するよう求めています(Google 広告ポリシー「サードパーティ ポリシー」、2026年9月30日確認)。当社の進め方はGoogle広告運用にまとめています。
④ SNS:見つけてもらい、期待を作る
Instagramは、飲食店で最も使われているSNSです。飲食店ドットコムが2024年に飲食店の経営者など393名に聞いた調査では、Instagramを運用している店は79.1%で、集客に最も効果的なSNSとして48.3%がInstagramを挙げました。一方で、課題には「何を投稿するか」(42.5%)、「フォロワー・閲覧数を増やすこと」(41.7%)、「投稿を続けること」(34.4%)が並びます(飲食店ドットコム ジャーナル、2024年7月11日公開、2026年9月30日確認)。
使う人も多く、総務省の調査ではInstagramの利用率は全年代で54.8%でした(総務省「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」、2026年6月26日公表、2026年9月30日確認)。
当社の見方:インスタとGoogleマップは役割が違う
当社の調査では、Instagramのフォロワー数とGoogleマップの順位には関係が見られませんでした。インスタは「見つけてもらい、行きたいと思ってもらう」場所で、Googleマップは「近くの店を比べて選ぶ」場所です。フォロワーを増やしても、Googleマップで上に出るわけではありません。両方に同じ写真を使い、Googleビジネスプロフィールの投稿にも出すのが、手間を増やさずに両方へ届けるやり方です。
また、インスタの成果を見るなら、フォロワー数、投稿数、リーチ、プロフィールの表示、ウェブサイトへの移動、反応(いいね・保存など)の6つを毎月記録してください。フォロワー数は、あとから過去の分をさかのぼって確かめられません。毎月、自分で書き留めておく必要があります。
なお、お客様やインフルエンサーに投稿を頼み、見返りを渡すときは、広告であることが分かるように示す必要があります。2023年10月1日から、広告であることが一般の消費者に分からない表示(ステルスマーケティング)は景品表示法の違反になりました(消費者庁、2026年9月30日確認)。
始め方、ハッシュタグの上限、リールの長さなどはインスタ集客の始め方で詳しく解説しています。当社のSNSの支援は、コンサルティングの中で行っています(SNSサポート)。
⑤ 自社サイト:自分で測れる「着地点」を持つ
自社サイト(ホームページ)は、作っただけではなかなか見られません。検索で上に出るまでに時間がかかり、グルメサイトやGoogleマップのほうが先に表示されるからです。
それでも自社サイトを持つ意味は、広告やSNSからの着地点を、自分で持てることにあります。グルメサイトのページは媒体のものなので、どこから何人来たかを自分で細かく測れません。自社サイトなら、広告からの訪問やページの見られ方を自分で確かめられ、ページも自由に作れます。
貸切や宴会の条件、アレルギーの対応、個室の写真など、グルメサイトの枠では伝えきれない情報を載せる場所としても使えます。詳しくは飲食店にホームページは必要かをご覧ください。
⑥ 店頭:店構えは今も2番目の情報源
先ほどの調査で、来店前の期待を作った情報源の2位は「店構えや店先のメニューなど」(22.2%)でした。人通りのある路面店や1階のお店では、店の前は毎日たくさんの人に見られる、無料の広告です。
店頭で見直したいのは、次の点です。
- 何の店か、ひと目で分かるか: 業態と看板メニューが、通りから読める大きさで出ているか
- 価格が分かるか: 店先のメニューに、主な品の値段や予算の目安が出ているか。値段が分からない店には入りにくい
- 中の様子が分かるか: 窓や入口から、店内の雰囲気や混み具合が見えるか
- WEBと同じことを言っているか: グルメサイトやGoogleマップの写真・メニューと、店頭の内容が食い違っていないか
店頭はお金をかけずにすぐ変えられる部分です。WEBの集客を始める前に、一度お客様の目線で店の前に立ってみてください。
⑦ リピート:集客したお客様を逃さない
新しいお客様を呼ぶことばかりに目が行くと、来店したお客様がそのまま離れていくことに気づきません。先ほどの調査では、初めての来店で「強いリピート意向」を持った人は全体で27.0%でした。逆に言えば、残りの多くは何もしなければ戻ってきません。
リピートを増やすには、まずお客様の声を集めて、店を直す仕組みが要ります。自社店舗での運用は次の章で紹介します。リピート率の測り方と上げ方はリピート率の記事で詳しく解説しています。
どこから手を付けるか:お店の状況別の優先順位
7つを全部同時に始める必要はありません。お店の状況によって、先に手を付けるべき順番は変わります。
まず全店がやること
どの状況のお店でも、最初にやることは同じです。
- 売上を分解する: 直近12ヶ月の売上・来店組数・客単価を、前の年の同じ月と並べる。どの段が落ちているかを確かめる
- 来店の経路を把握する: 媒体ごとのネット予約、電話予約、予約なしの来店を分けて数える。アンケートで「知ったきっかけ」を聞く
- Googleビジネスプロフィールを整える: オーナー確認、カテゴリ、営業時間、メニュー、写真を正しくそろえる
- グルメサイトの無料掲載を整える: 写真、コース・プラン、営業時間をGoogleマップと同じ内容にそろえる
- 店頭を見直す: 何の店か、いくらか、中の様子が、通りから分かるようにする
- お客様の声を集める仕組みを作る: 来店したお客様にアンケートを取り、低い評価はその日のうちに店で共有する
ここまでは、大きなお金をかけずにできます。そのうえで、お店の状況に合わせて次の手を選びます。
状況別の次の一手
| お店の状況 | 優先したい手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 開業前・開業したばかり | Googleマップ、Instagram、Google広告 | 知られていないのが最大の問題。広告で「今探している人」に出しつつ、マップとSNSを育てる |
| 宴会・団体の予約が減った | グルメサイト、Google広告、自社サイト | 宴会を探す人はグルメサイトと検索で比べる。貸切の条件を載せた着地点も要る |
| 予約なしの来店が減った | Googleマップ、店頭、電話の取りこぼしの確認 | 近くで探している人と、通りがかりの人に届いていない可能性が高い |
| 新規は来るのに、客数が伸びない | リピート、口コミの読み込み | 来店後の満足に問題がある。集客を足す前に、店を直す |
| 訪日客の多いエリア | Googleマップ(多言語の対応) | 日本語のグルメサイトを使わない人にも、地図から届けられる。クチコミには投稿と同じ言語で返す |
| 若い客層を狙う | Instagram、Googleマップ | 若い世代ほどSNSで来店前の期待を作る(前の調査で20代は3割近く)。見つけた店を選ぶ場面ではマップも整えておく |
居酒屋の場合
居酒屋は、宴会の予約と、仕事帰りのふらっと来店の両方で成り立つ業態です。そのため、グルメサイト(宴会)とGoogleマップ(その場で探す人)の両方を整えるのが基本になります。
Googleマップでは、先ほどの当社の調査のとおり、「駅名 居酒屋」で上位に出た店はすべてメインのカテゴリが「居酒屋」でした。「焼き鳥屋」「海鮮料理店」などの専門の業態でも、居酒屋として探されたいならカテゴリの付け方を見直してください。常連の多い居酒屋は、リピートの仕組みが売上を大きく左右します。
自社店舗「モルゲン」で実際にやっていること
当社は自社でも居酒屋「モルゲン」を運営しています。ここでは、集客とリピートのために実際に回している仕組みを紹介します(数字は載せません)。
来店したお客様の声を、その日のうちに店へ
来店したお客様には、LINEのアンケート(外部のサービス)に答えていただいています。聞いているのは次のことです。
- 5段階の評価:味、提供のスピード、接客、清潔感、また来たいか
- 選択式:お店を知ったきっかけ、利用の目的
- 自由記述:気になった点・改善してほしい点、満足したメニュー、良かったスタッフ
「お店を知ったきっかけ」を聞くことで、どの集客の手段が効いているかを、媒体の管理画面とは別の角度で確かめられます。
総合の評価が3.0以下の回答は、その日のうちに店へ共有します。共有する内容に、お客様の個人情報は載せません。店長は週に1回、前の週の自由記述を「改善点から」読みます。
リピートは2つの数字を分けて見る
リピートは、「来店したお客様のうち、再来店した人の割合(リピーター率)」と、「売上のうち、リピーターによる売上の割合(リピーター売上比率)」を分けて見ています。分母が違うので、同じグラフに並べません。
広告の着地点を、自社のページに移した
モルゲンでは、Google広告のクリック先を、食べログの無料ページから自社サイトの店舗ページに移しています(2026年9月時点)。理由は2つです。1つは、広告の効果を自分で測れるようにするため。もう1つは、着地点を自分の資産にするためです。予約は、食べログのネット予約をそのまま使っています。グルメサイトと自社サイトは、どちらか一方ではなく、役割を分けて使えます。
よくある失敗
当社が支援の中でよく見る失敗です。
| よくある失敗 | なぜ困るか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 手段を増やすことから始める | どこで取りこぼしているか分からないまま、費用と手間だけが増える | 先に売上を分解し、落ちている段に効く手段から始める |
| グルメサイトの効果を、電話や自社サイトの予約まで混ぜて測る | 効果が大きく出すぎ、効いていない媒体にお金を払い続ける | 分子をその媒体のネット予約だけに絞る |
| 広告を始めて1〜2週間で止める | 来店の計測が確定する前に判断してしまう | 直近2〜3週間は計測待ちとして扱う |
| インスタのフォロワーを増やせば、Googleマップの順位も上がると考える | 役割が違うので、マップの順位は上がらない | マップはカテゴリ・情報・クチコミで整える |
| 見返りと引き換えにクチコミを頼む | Googleやグルメサイトの規約違反。景品表示法に触れることもある | 見返りなしで頼み、届いた声を読んで店を直す |
| WEBと店頭・店内で言っていることが違う | 期待を上げすぎ、来店後の満足が下がる | 写真・メニュー・価格を、すべての場所でそろえる |
| 月ごとの数字を記録していない | 前の年と比べられず、施策の効果が分からない | 売上、来店組数、媒体ごとの予約、フォロワー数を毎月記録する |
よくある質問
飲食店の集客で、最初にやるべきことは何ですか?
売上を「客単価×来店人数」に分け、どの段が落ちているかを確かめることです。そのうえで、お金のかからないGoogleビジネスプロフィールとグルメサイトの無料掲載を正しく整えるところから始めるのが、失敗の少ない順番です。
お金をかけずにできる集客方法はありますか?
あります。Googleビジネスプロフィールは作成も掲載も無料です。グルメサイトも無料で掲載でき、ホットペッパーグルメのネット予約プランは予約で来店した人数に応じた費用だけがかかります。店頭の看板やメニューの見せ方の見直しも、大きな費用をかけずにすぐできます。
グルメサイトとGoogleマップ、どちらを優先すべきですか?
どちらか一方ではなく、まず両方の無料の部分を整えてください。宴会やコースの予約を取りたいならグルメサイトの比重を、近くで店を探している人や訪日客を取りたいならGoogleマップの比重を高めます。どちらに費用を足すかは、媒体ごとのネット予約の推移を見て決めます。
居酒屋の集客で、特に気をつけることはありますか?
Googleマップのメインのカテゴリが「居酒屋」になっているかを確かめてください。当社の調査では、「駅名 居酒屋」で上位3位に入った店はすべてメインのカテゴリが「居酒屋」でした。宴会の予約と、仕事帰りの来店の両方を取るため、グルメサイトとGoogleマップの両方を整えるのが基本です。
集客の効果は、どれくらいで出ますか?
手段によって違います。Google広告は配信した日から表示されますが、来店の成果が確定するのは数週間後です。Googleマップの順位やSNSは、月単位の推移で見て判断します。1回の結果で判断せず、前の年の同じ月と比べて見てください。
集客を外部に頼むと、費用はどれくらいかかりますか?
契約の形や範囲によって大きく変わります。相場の見方と見積りで確かめる項目は、飲食店コンサルの費用相場でまとめています。当社の料金は、サービス案内と各サービスのページに載せています。
「どこでお客様を取りこぼしているか」を一緒に確かめるところから始めます。お店の状況をお聞きしたうえで、必要な手段だけをご提案します。ご相談は無料です。
飲食店のネット集客の考え方をまとめた資料も、無料でダウンロードできます。