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居酒屋・飲食店の開業準備の流れ|資格・届出・資金と、オープン前に始める集客【2026年】

更新 (公開 2022年6月3日) / 飲食店の経営Q&A

自分の居酒屋を開きたい。でも、何から手を付ければよいのか、どの資格や届出が要るのか、いつまでに何を終わらせればよいのかが分からない。開業を考えている方から、よく聞く声です。

開業の手続きを解説した記事はたくさんあります。ただ、その多くは「許可を取って店を開ける」までで終わり、開けた店にどうやってお客様を呼ぶかには、ほとんど触れていません。実際には、Googleマップへの登録、グルメサイトのページ、広告の準備は、どれもオープン前から始めないと間に合いません。

この記事では、居酒屋を中心に、飲食店の開業準備を「手続き」と「オープン前から始める集客の準備」の両方から、時期の順に整理します。資格や届出は、保健所・警察・消防・税務署などの公的な情報で確かめた内容だけを載せています。

書いているのは、飲食店のWEB集客を支援している株式会社STABBLEです。これまでに700店舗以上の飲食店を支援し、Google広告は通算1億円以上を運用してきました。当社は自社でも飲食店(モルゲン)を運営しています。

この記事の結論

  • 準備期間は半年〜1年を見込みます。 物件・資金・工事・許可・集客の準備が重なるので、逆算して進めます
  • 居酒屋で必ず要るのは、食品衛生責任者と飲食店営業許可です。 0時以降にお酒を出すなら警察への届出、建物の収容人員によっては防火管理者も要ります。調理師免許は必須ではありません
  • 物件を決める前に、そのエリアで集客の見込みが立つかを調べます。 当社は「駅名×業態」の検索数、Googleマップの競合、商圏の統計、理論売上を見ています
  • 集客の準備はオープンの約60日前から始めます。 Googleビジネスプロフィールは仕様上、開業日の90日前から表示できます。グルメサイトは営業許可が出てから、Google広告はオープン直前から。当社の運用上の目安です
  • 開業前から「ファン」と予約を積み上げる進め方が主流になりつつあります。 店ができる過程を発信するプロセスエコノミー、インフルエンサーへの来店の交渉、Google広告での先の日付の予約受付に、初期の100〜200万円ほどを充てるお店が増えています

居酒屋・飲食店の開業準備の流れ

開業までの準備は、「店を開けるための準備」と「お客様に来てもらうための準備」が同時に進みます。全体の流れは、おおむね次のとおりです。

時期の目安開業の準備・手続き集客の準備
12〜6ヶ月前コンセプトと事業計画を決める。開業資金を見積もる。出店エリアの候補を挙げる候補エリアの検索数とGoogleマップの競合を調べる
6〜3ヶ月前物件を契約する。資金を調達する。内装を設計し、図面を保健所に相談する店名・看板メニュー・写真の方針を決める
3〜1ヶ月前内装工事。食品衛生責任者・防火管理者の講習。メニュー作り。スタッフの採用開業日を決め、Googleビジネスプロフィールを登録する。Instagramで工事やメニュー作りの様子を出す
1ヶ月前〜2週間前営業許可の申請(工事完成予定日の10日くらい前)。深夜酒類の届出(営業開始の10日前まで)グルメサイトの写真・コース・メニューの原稿を作る。自社の店舗ページと広告の計測を準備する
2週間前〜オープン保健所の施設検査と許可。プレオープン。労働保険の手続き許可が出たら食べログなどの店舗会員に申し込む。Google広告の配信を始める
オープン後開業届、青色申告の承認申請クチコミと来店のきっかけを記録し、月ごとの推移を見る

時期は、一般的な流れと当社の支援の経験から見た目安です。物件の状態(居抜きかスケルトンか)や地域、工事の規模によって前後します。手続きの期限は、このあとの節で公的な情報とあわせて説明します。

1. コンセプトと事業計画を決める

最初に決めるのは、「誰に、何を、いくらで、どんな場面で出す店か」です。ここが曖昧なままだと、物件の条件も、メニューの値付けも、集客で何を伝えるかも決まりません。コンセプトの考え方は、飲食店開業のコンセプト設計で詳しく解説しています。

コンセプトが固まったら、事業計画に落とします。融資を受けるなら、日本政策金融公庫が「創業計画書」の書式を公開しています(日本政策金融公庫 各種書式ダウンロード、2026年10月6日確認)。融資を受けない場合でも、考えを整理する型として使えます。

事業計画で、当社が特に大事にしているのは売上の見込みを式で出すことです。

理論売上 = 席数 × 回転数 × 客単価 × 営業日数

たとえば、30席・1日の回転数1.2回・客単価4,000円・月25日営業なら、30×1.2×4,000×25で月360万円です(架空の例)。この数字から家賃・食材費・人件費を引いて利益が残るかを見ます。回転数と客単価は、願望ではなく、同じ商圏・同じ業態の店の実態に近い値を置くのがポイントです。

2. 開業資金を見積もり、調達する

開業費用の平均は975万円、中央値は600万円

日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円でした。分布を見ると、「250万円未満」が20.1%、「250万〜500万円未満」が21.7%で、4割以上が500万円未満です。開業費用は長い目で見ると少しずつ小さくなる傾向にあります(日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月5日公表、2026年10月6日確認)。

この調査は、公庫が融資した開業1年以内の企業(全業種)を対象としたもので、飲食店だけの数字ではありません。居酒屋の費用は、物件の広さ、居抜きかスケルトンか、厨房設備によって大きく変わります。平均値ではなく、自分の物件の見積りで積み上げてください。

同じ調査では、開業時の資金調達額は平均1,219万円で、そのうち「金融機関等からの借り入れ」が平均827万円(67.9%)、「自己資金」が平均279万円(22.9%)でした(同調査)。

見積もりに入れる費用

費用の区分主な中身
物件取得費保証金・敷金、礼金、仲介手数料、前家賃
内装・設備費内装・外装の工事、厨房機器、空調・換気、看板
備品・初期の仕入れ食器・グラス、レジや決済端末、開店時の食材・酒類
開業前の販促費写真の撮影、自社の店舗ページ、広告費、ショップカード
運転資金売上が安定するまでの家賃・人件費・仕入れ
生活費個人で開業する場合の、売上が安定するまでの生活費

見落とされやすいのが開業前の販促費です。同じ公庫の調査で、開業時に苦労したこととして「顧客・販路の開拓」を挙げた人は49.9%で、「資金繰り、資金調達」(56.9%)に次ぐ2番目でした(同調査)。お客様を呼ぶための費用は、開業資金の中に最初から入れておきます。

資金の調達先

主な調達先は、自己資金、日本政策金融公庫や地方銀行・信用金庫からの融資、自治体の制度融資、補助金・助成金、親族からの借入れです。補助金・助成金は採択されるとは限らないので、開業時の支払いは融資と自己資金でまかなえる前提で計画します。条件は制度ごとに違うので、申し込む先の公式の案内で確かめてください。

3. 物件を選ぶ前に、エリアを調べる

居酒屋の売上は、物件でかなりの部分が決まります。物件は一度決めると簡単には動かせません。

物件で確かめること

  • 飲食店として使えるか: 用途、排気・ダクト、ガスの容量、給排水。重い厨房機器を置けるか
  • 居抜きかスケルトンか: 居抜きは初期費用を抑えやすい一方、設備が古いと買い替えや修理がかさむことがある。スケルトンは自由に作れるが、工事費と期間がかかる
  • 保健所の基準に合うか: 手洗い設備やシンクの数など、施設の基準を満たせる図面か。工事の前に図面を持って保健所に相談しておくと、手戻りが少なくなります
  • 深夜営業ができる地域か: 0時以降にお酒を出す営業は、都道府県の条例で禁止されている地域では新たに始められません(後述)
  • 建物全体の収容人員: 建物全体で30人以上になる場合は、テナントの店も防火管理者が必要です(後述)
  • 家賃が売上に見合うか: 先ほどの理論売上に対して、家賃が無理のない割合に収まるか

物件の内見には、できれば内装の施工業者にも同行してもらってください。席数や厨房の配置が図面どおりに取れるかを、その場で判断できます。

物件を決める前に当社が見ていること

当社では、出店を検討しているエリアについて、物件を決める前に次の観点をまとめて調べています(社内のレポートとしてまとめています)。

観点何を見るか分かること
検索数「駅名×業態」(例:「〇〇駅 居酒屋」)の月間検索数。Googleのキーワードプランナーで調べるそのエリアで、その業態の店を探している人がどれだけいるか
Googleマップの競合同じ業態の店の数、評価とクチコミ数の中央値上位に出るために、どれくらいのクチコミや情報量が要るか
商圏の統計e-Stat(政府統計の総合窓口)で見る人口・世帯構成・所得の水準オフィス街型か住宅地型か、単身が多いか家族が多いか
理論売上席数×回転数×客単価×営業日数家賃と人件費をまかなえる売上が見込めるか
既存店との比較同じ商圏の駅・同じ業態の既存店の実績理論売上の前提(回転数・客単価)が現実的か

最後に、これらを並べて「このエリアで、このコンセプトは成り立つか」を判断します。社内ではAIに示唆を出させることもありますが、出店するかどうかを決めるのは人です。

この調べ方の良いところは、開業後の集客まで見通せることです。検索数が少ないエリアでは、検索広告に頼りにくくなります。Googleマップの競合が強いエリアでは、上位に出るまでに時間がかかる前提で、グルメサイトや店頭の比重を上げる計画にします。物件の条件だけでなく、「お客様がどうやってこの店を見つけるか」まで考えてから契約するのが、当社の勧める順番です。

出店を検討しているエリアがあれば、物件を決める前にご相談ください。そのエリアの検索数・Googleマップの競合・商圏の統計から、集客の見込みを一緒に確かめます。ご相談は無料です。

出店エリアについて相談する

4. 内装・メニュー・スタッフを準備する

物件が決まったら、内装工事、メニュー作り、スタッフの採用を並行して進めます。

  • 内装工事: 保健所の施設基準と、消防の設備の条件を満たす設計にする。工事の完成予定日が、営業許可の申請時期の基準になります
  • メニュー: 原価と値付けを決め、試作を重ねる。集客で使う写真は、ここで撮ったものが元になります。看板メニューとコースの中身は、グルメサイトやGoogleマップに載せる原稿と同じものにします
  • スタッフ: オープニングスタッフを募集し、オープン前に研修とプレオープンで動きを確かめる。採用が遅れると研修が間に合わず、早すぎると辞退が出やすくなります

5. 居酒屋の開業に必要な資格と届出

居酒屋の開業で必要になる主な資格と届出を、まとめました。

手続き届出・申請先時期必要になる店
食品衛生責任者(講習を受けて資格を取る)営業許可の申請までにすべての店(施設ごとに1人)
飲食店営業許可保健所工事完成予定日の10日くらい前に申請(東京都の場合)すべての店
防火管理者の選任と届出消防署選任したら届け出る建物全体の収容人員が30人以上の建物に入る店など
深夜における酒類提供飲食店営業の届出警察署(公安委員会)営業開始の10日前まで0時〜6時にお酒を主に出す店
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)税務署開業した年分の確定申告期限まで個人で開業する場合
青色申告の承認申請税務署開業から2ヶ月以内(1月16日以後に開業した場合)青色申告をしたい場合
労働保険の保険関係成立届労働基準監督署または公共職業安定所保険関係の成立から10日以内従業員を1人以上雇う場合

各手続きの出典は、以下の項目ごとに示しています。地域によって運用が違う部分があるので、最後は管轄の窓口で確かめてください。

食品衛生責任者

食品の営業許可を取るときは、施設ごとに専任の食品衛生責任者を置く必要があります。調理師、製菓衛生師、栄養士などの資格を持っている人はそのまま食品衛生責任者になれます。持っていない場合は、都道府県知事などが指定する養成講習会を受けます。東京都では、東京都食品衛生協会が会場型とeラーニング型の講習会を開いています(文京区「食品衛生責任者」、2026年10月6日確認)。

講習は日程が埋まることもあるので、物件が決まったら早めに申し込んでおくと安心です。

飲食店営業許可(保健所)

飲食店を営業するには、管轄の保健所の営業許可が必要です。東京都では、申請の書類は施設工事完成予定日の10日くらい前に保健所へ出すよう案内されています。必要な書類は、営業許可申請書、施設の構造と設備を示す図面(2通)、食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳など)などです。申請または施設検査のときに、衛生管理計画も確認されます。申請は、保健所の窓口のほか、厚生労働省の食品衛生申請等システムでオンラインでもできます(東京都保健医療局「営業許可・届出の手引・様式」、2026年10月6日確認)。

衛生管理計画は、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理のことです。食品衛生法の改正により、原則としてすべての食品等事業者に、一般衛生管理に加えてHACCPに沿った衛生管理が求められています。小規模な営業者は、厚生労働省が公表している手引書を参考に、簡略化したやり方で取り組めます(厚生労働省「食品衛生法の改正について」、2026年10月6日確認)。

防火管理者(消防署)

飲食店は、不特定多数の人が出入りする「特定用途」に当たります。防火対象物全体の収容人員が30人以上の場合は、防火管理者の選任が必要です。注意したいのは、防火管理者が必要な建物では、建物の所有者とすべてのテナントで選任が必要になることです。自分の店が小さくても、ビル全体で30人以上なら対象になりえます。資格は、甲種が2日間、乙種が1日の講習で取得できます(東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」、2026年10月6日確認)。

甲種と乙種のどちらが要るかは、建物の用途や面積によって変わります。管轄の消防署に確かめてください。

深夜における酒類提供飲食店営業の届出(警察署)

居酒屋で特に気をつけたいのがこの届出です。対象は、バー・酒場など、深夜(午前0時から午前6時)に設備を設けて客にお酒を出す飲食店営業です。ただし、営業の常態として、通常主食と認められる食事を出している店は除かれます(警視庁「風俗営業等業種一覧」、2026年10月6日確認)。

届出は営業開始日の10日前までに管轄の警察署に出します。手数料はかかりません。届出の前でも、午前0時までは飲食店として営業できます。また、深夜0時以降の遊興(生バンドの演奏を聴かせる、ダンスをさせるなど)は禁止されています(和歌山県警察「深夜における酒類提供飲食店営業 営業開始届出」、2026年10月6日確認)。

物件選びで大事なのは、都道府県の条例で営業を禁止している地域では、新たにこの営業を始められないことです。すでに届出をして営業している店は禁止地域でも続けられますが、営業者が変わったり、営業を譲渡したりした場合は続けられなくなります(高知県警察「深夜における酒類提供飲食店営業届出の手引き」、2026年10月6日確認)。「前の店が深夜まで営業していた居抜き物件だから大丈夫」とは限りません。0時以降の営業を考えているなら、物件を契約する前に管轄の警察署に確かめてください。

開業届と青色申告(税務署)

個人で開業する場合は、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出します。提出の時期は、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までです。e-Taxでも、書面でも出せます(国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」、2026年10月6日確認)。

青色申告をしたい場合は、「青色申告承認申請書」も出します。1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、事業を始めた日から2ヶ月以内が期限です(国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」、2026年10月6日確認)。開業届よりこちらの期限のほうが早いので、開業したらまとめて出すのが確実です。

従業員を雇うとき

労働者を1人以上使う事業は、原則として労働保険(労災保険と雇用保険)の適用事業になります。事業主は、保険関係が成立した日から10日以内に「保険関係成立届」を労働基準監督署または公共職業安定所に出さなければなりません(厚生労働省「労働保険とはどのような保険ですか」、2026年10月6日確認)。アルバイトを雇う場合も対象になるので、オープニングスタッフの採用とあわせて準備します。

調理師免許や、お酒の販売の免許は要る?

調理師免許は、開業に必須ではありません。 持っていれば食品衛生責任者になれるので講習が不要になる、という位置づけです。

お酒については、店の中で飲んでもらうために出すだけなら、酒類の販売業免許は要りません。一方、テイクアウト用など、店の外で飲むためのお酒を売る場合は、販売場ごとに税務署長の販売業免許が必要です(国税庁「販売業免許関係」、2026年10月6日確認)。瓶のお酒の持ち帰り販売を考えているなら、早めに税務署に相談してください。

6. オープン前から始める集客の準備

手続きが終われば店は開けられます。ただ、開けた日にお客様が来るかどうかは、オープン前の準備で決まります。当社が開業前のお店に勧めている順番は、次のとおりです。

順番手段始める時期(当社の目安)オープン前にやること
1Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)オープンの約60日前(仕様上は90日前から表示できる)開業日を入れて登録し、オーナー確認。写真と投稿で開店を知らせる
2グルメサイト営業許可が出たらすぐ(原稿はオープンの2〜3週間前から作る)写真・コース・メニューの原稿を先に用意し、店舗会員に申し込む
3Google広告配信はオープンの数日前〜当日。準備はその1〜2週間前着地先の店舗ページと、来店の計測を用意する
4Instagramアカウントは物件が決まったら。発信はオープンの1〜2ヶ月前から工事やメニュー作りの様子を出し、毎月の数字を記録し始める

日数は、当社の支援と自社店舗の運営から見た目安です。工事の進み方や許可の出る日で前後します。各手段の考え方は、飲食店の集客方法でも詳しく解説しています。

① Googleマップ:開業日の90日前から表示できる

Googleビジネスプロフィールは、作成も掲載も無料です(Google ビジネスプロフィール、2026年10月6日確認)。開業前のお店も登録できます。

Googleによると、開業日は年と月だけで入力でき、1年先の日付まで入れられます。日付を入れてオーナー確認を行うと、開業日の90日前からGoogleにプロフィールが表示されます。開業前でも、投稿で開業日を知らせたり、工事中からの写真を載せたりできます。開業すると、プロフィールに「最近開店したお店」のタグが90日間表示されます。一方で、正式にオープンするまでは、ユーザーが情報の修正を提案したり、クチコミや写真を投稿したりすることはできません(Google ビジネスプロフィール ヘルプ「開業日を追加する」、2026年10月6日確認)。

当社の目安では、オープンの約60日前までに登録とオーナー確認を済ませ、そこから「見つけてもらう準備」をします。オープン後の90日で「最初のクチコミと評価を積む」流れです。開業前に当社が確かめるのは、次の点です。

  • メインのカテゴリを「居酒屋」にする: 当社が2026年9月に97エリアで「駅名+居酒屋」の順位を調べたところ、上位3位に入った店はすべてメインのカテゴリが「居酒屋」でした
  • 店名に余計な言葉を足さない: 看板などで実際に使っている店名で登録します。Googleは、ビジネス名に不要な情報を含めることはできず、含めるとプロフィールが停止される場合があるとしています(Google ビジネスプロフィール ヘルプ、2026年10月6日確認)
  • 写真・営業時間・メニューを、グルメサイトや店頭と同じ内容にそろえる

オープン後は、クチコミの数そのものより、新しいクチコミが増えていくペースが大事です(当社の同じ調査で、クチコミがエリアで最も多い店が1位だったのは97エリア中4エリアだけでした)。ただし、割引や特典と引き換えにクチコミを頼むことは、Googleが禁じています(Google ビジネスプロフィール ヘルプ、2026年10月6日確認)。オープン記念の割引は、クチコミの依頼と切り離して出してください。詳しくはMEOで集客する方法をご覧ください。

② グルメサイト:許可が出たらすぐ申し込めるよう、原稿を先に作る

宴会や仕事帰りの予約を取る居酒屋にとって、グルメサイトは今も大きな予約の受け皿です。食べログは、店舗会員の登録が無料です。ただし、申し込みには営業許可証の画像の添付が必要で、食べログ独自の審査のあと、お店の電話番号あてに確認の電話がかかってきます(食べログ 店舗会員登録、2026年10月6日確認)。

つまり、食べログに申し込めるのは保健所の許可が出てからで、オープン直前になります。そこで慌てないように、写真、コースとプランの内容、メニューと価格、店の紹介文は、オープンの2〜3週間前から先に作っておきます。店の電話も、それまでに使えるようにしておきます。

無料の掲載でできること、有料プランとの違い、ネット予約の手数料は、食べログのプランと手数料で整理しています。どの媒体を使うかは、グルメサイト比較を参考にしてください。開業直後から有料プランに入る必要はありません。まずは無料の掲載とネット予約の受け皿を整え、予約の推移を見てから判断するのが、当社の勧める順番です。

③ Google広告:「今、探している人」にオープン日から出す

Googleマップの順位やグルメサイトの評価は、オープン直後はまだ育っていません。その間に、「〇〇駅 居酒屋」「〇〇駅 個室 飲み会」などと検索している人へ確実に店を出せるのが、Google広告(検索広告)です。

当社の目安では、配信はオープンの数日前から当日に始め、その1〜2週間前に次の準備を終えておきます。

  • 着地先のページ: 広告をクリックした人が見る店舗ページ。広告で書いたこと(個室、飲み放題、宴会の人数など)が、そのページに書いてあること
  • 来店の計測: 予約や電話が、どの広告から来たかを数えられる設定

注意したいのは、来店の計測は後から確定することです。当社では、直近の2〜3週間は「計測待ち」として扱い、オープン直後に数字が悪く見えても慌てて止めません。成果は、来店1組あたりにかかった広告費を、1組あたりの利益と比べて判断します。詳しくは飲食店のGoogle広告をご覧ください。

④ Instagram:工事中から「どんな店ができるか」を見せる

Instagramは、オープン前に「どんな店ができるのか」を見せられる場所です。内装工事の様子、メニューの試作、お酒のラインナップなど、開業前ならではの投稿ができます。

始めるときに覚えておきたいのは、フォロワー数などの数字は、あとから過去の分をさかのぼって確かめられないことです。フォロワー数、投稿数、リーチ、プロフィールの表示、ウェブサイトへの移動、反応の6つを、開設した月から毎月記録してください。

また、当社の調査では、Instagramのフォロワー数とGoogleマップの順位には関係が見られませんでした。インスタは「行きたいと思ってもらう」場所、Googleマップは「近くの店を比べて選ぶ」場所で、役割が違います。インスタだけに力を入れて、Googleマップの準備が後回しにならないようにしてください。始め方はインスタ集客の始め方で解説しています。

⑤ 開業前から「ファン」と予約を積み上げる

最近の開業では、オープンの日に向けて、開店前からファンと予約を積み上げておく進め方が主流になりつつあります。当社が支援の現場と、自社店舗(計4店舗)の開業で見ている傾向です。

やり方中身気をつけること
プロセスエコノミークラウドファンディングでよく語られる考え方です。完成した店だけでなく、物件探し・内装・試作・仕入れ先選びなど、店ができていく過程そのものを発信し、開店前から応援してくれる人を集めます発信を途中で止めない。開店日と予約の入り口を早めに知らせる
インフルエンサーへの来店の交渉Instagramで、店のお客様に近い層に影響力のある人へ、オープン直後の来店日を事前に交渉して押さえ、投稿の時期を開店直後にそろえます依頼した投稿には広告であることの表示が必要(下記)
Google広告での先の日付の予約オープン前から広告を出し、オープン後の日付の予約を先に受け付けますネット予約の受け付けを開店前から始めておく。広告の約束と予約ページの中身をそろえる

予算の目安として、初期の100〜200万円ほどをインフルエンサー関連に充てるお店が増えています。業態やエリアで大きく変わるので、開業資金の見積もりに、最初から販促費として入れておいてください。

注意点が2つあります。1つは、お店が依頼したり招待したりして投稿してもらう場合、その投稿が広告であることを分かるようにする必要があることです。広告であることを隠した表示(ステルスマーケティング)は、2023年10月1日から景品表示法の違反になっています(消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制」、2026年10月6日確認)。もう1つは、招待とクチコミの依頼を結びつけないことです。招待したお客様に、食べログやGoogleへのクチコミの投稿を頼むことは、各媒体の規定で禁じられています。

自社店舗「モルゲン」で決めていること

当社が運営する居酒屋「モルゲン」では、次のようにしています。

  • 店舗ページを自社で持つ: Google広告とInstagram広告のクリック先を、食べログの無料ページから自社サイトの店舗ページに移しました(2026年9月)。理由は、広告の効果を自分で測れるようにするため、そして着地点を自分の資産にするためです。予約は食べログのネット予約をそのまま使っています。グルメサイトと自社のページは、どちらか一方ではなく、役割を分けて使えます
  • お店を知ったきっかけを聞く: 来店したお客様にLINEのアンケート(外部のサービス)で、味・提供のスピード・接客・清潔感・また来たいかの5段階評価と、お店を知ったきっかけ、利用の目的を聞いています。どの集客の手段が効いているかを、媒体の管理画面とは別の角度で確かめられます
  • 低い評価はその日のうちに店へ: 総合の評価が3.0以下の回答は、その日のうちに店へ共有します(個人情報は載せません)

開業するお店なら、これらはオープン初日から仕組みにしておくのが理想です。最初の数ヶ月のデータが、次の打ち手を決める基準になります。

居酒屋の開業でよくある失敗

当社が支援の中でよく見る失敗です。

よくある失敗なぜ困るか代わりにすること
物件の条件だけで契約する探している人が少ない、競合が強いエリアだと、開業後の集客に費用と時間がかかる契約前に検索数・Googleマップの競合・商圏・理論売上を見る
深夜営業ができるか確かめずに契約する条例で禁止されている地域では、0時以降の酒類提供の営業を新たに始められない物件の契約前に管轄の警察署に確かめる
開業資金に販促費を入れていないオープン後に広告や写真にかけるお金が残らないインフルエンサーや広告など開業前の販促費(初期100〜200万円ほどを充てる店が増えている)を、最初から見積もりに入れる
集客の準備をオープン後に始めるGoogleマップもグルメサイトも、整うまでの間に開店直後の注目を逃すGoogleビジネスプロフィールは約60日前から。グルメサイトの原稿は2〜3週間前から
広告をオープン直後の数字だけで止める来店の計測が確定する前に判断してしまう直近2〜3週間は計測待ちとして扱う
オープン記念の特典と引き換えにクチコミを頼むGoogleの規約で禁止されている特典とクチコミの依頼を切り離す

よくある質問

居酒屋の開業に必要な資格は何ですか?

すべての店に必要なのは、食品衛生責任者です。調理師・栄養士などの資格があればそのままなれ、無い場合は講習を受けて取得します。そのうえで、保健所の飲食店営業許可を取ります。建物全体の収容人員が30人以上なら防火管理者が、0時以降にお酒を主に出すなら警察署への届出が必要です。調理師免許は必須ではありません。

居酒屋の開業資金はいくら必要ですか?

物件の広さや居抜きかどうかで大きく変わります。参考として、日本政策金融公庫の2025年度の調査では、全業種の開業費用の平均値は975万円、中央値は600万円でした。物件取得費、内装・設備、運転資金、生活費に加えて、開業前の販促費も見積もりに入れてください。

開業の準備には、どれくらいの期間がかかりますか?

半年〜1年を見込むのが一般的です。物件探し、資金の調達、内装工事、営業許可、スタッフの採用、集客の準備が重なるため、オープン日から逆算して進めます。

小さな居酒屋でも防火管理者は必要ですか?

建物全体の収容人員で判断します。飲食店が入る建物で、建物全体の収容人員が30人以上の場合は、すべてのテナントで防火管理者の選任が必要です。店が小さくても雑居ビルに入る場合は対象になりうるので、管轄の消防署に確かめてください。

深夜0時以降も営業したい場合は、何が必要ですか?

0時から6時にお酒を主に出す営業は、営業開始の10日前までに管轄の警察署へ「深夜における酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。手数料はかかりません。条例で営業が禁止されている地域では新たに始められないので、物件を契約する前に確かめてください。

開業前でも、Googleマップに店を載せられますか?

載せられます。Googleビジネスプロフィールに開業日を入れてオーナー確認を行うと、開業日の90日前からプロフィールが表示されます。開業前から投稿や写真で開店を知らせられます。ただし、正式にオープンするまではクチコミは投稿されません。

グルメサイトにはいつ登録すればよいですか?

食べログの店舗会員は無料で登録できますが、申し込みに営業許可証の画像が必要です。そのため申し込めるのは許可が出てからになります。写真、コース、メニューの原稿は、オープンの約1ヶ月前から先に作っておくと、許可が出てすぐに掲載を整えられます。

物件を決める前のエリアの調査から、オープン前のGoogleマップ・グルメサイト・広告の準備まで、開業の集客をまとめてご相談いただけます。お店の計画をお聞きしたうえで、必要な準備だけをご提案します。ご相談は無料です。

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