飲食店のGoogle広告(リスティング広告)|費用の考え方と、来店につなげる運用【2026年】
「Google広告を始めたいが、いくらかければいいのか分からない」「代理店に任せているが、効いているのか分からない」。飲食店のオーナーから、よく聞く相談です。
Google広告(検索結果に出す広告。リスティング広告とも呼びます)は、「渋谷 居酒屋 個室」のように、いまお店を探している人に広告を出せる仕組みです。一方で、クリックされただけでは売上になりません。見るべきは、広告から実際に何組が来店し、1組を呼ぶのにいくらかかったかです。
この記事は、飲食店に特化したWEB集客のコンサルティング会社、株式会社STABBLEが書いています。当社はGoogle Partners プログラムの参加代理店で、これまで通算1億円以上のGoogle広告を運用し、700店舗以上の飲食店を支援してきました。自社でも飲食店(モルゲン)を運営しています。
料金の仕組みや設定の項目は、Google 広告の公式ヘルプで確かめた内容(2026年9月30日確認)を出典つきで書きます。そのうえで、当社が運用で使っている判断の基準を添えます。
この記事の結論
- 費用はクリック課金です。1日の平均予算を決めると、1か月の費用はその30.4倍を超えません(Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)
- 予算は「来店1組あたりの費用」から逆算します。1組を呼ぶ費用が、その1組が残す利益より小さいかどうかで判断します
- 悪化したら2つに分けて原因を探します。クリック単価が上がったのか、来店につながる割合が下がったのか。直近2〜3週間の来店の数字は、まだ確定していない前提で見ます
- 代理店は、手数料の明示とレポートの中身で選びます。Google のサードパーティ ポリシーに沿って、広告費と手数料を分けて見せてくれるかを確かめてください
飲食店にGoogle広告が向いている場面・向かない場面
Google広告は、「探している人」に届く広告です。探す人がいる場面では強く、いない場面では効きません。
| 場面 | 向いているか | 理由 |
|---|---|---|
| 駅名・エリア名と業態で探される店(「新橋 焼き鳥」など) | 向いている | いま店を探している人に、検索結果の上で見つけてもらえる |
| 宴会・貸切・記念日など、目的のはっきりした予約 | 向いている | 「貸切 20名」「個室 誕生日」のように検索語に目的が出るので、合う広告と着地ページを用意できる |
| 観光地・繁華街で、初めて来る人が多い店 | 向いている | 地元の常連ではなく、その場で探す人が主な客になる |
| 席がすでに埋まっている時間帯 | 向かない | 呼んでも入れない。時間帯の設定で広告を止める |
| 検索されにくい立地・業態 | 向きにくい | 探す人がそもそも少ない。検索の数は、Google のキーワードプランナーで先に確かめる |
| 着地ページ(広告から飛ぶ先)に、メニュー・価格・予約の入口がない | そのままでは向かない | クリックされても予約・来店につながらない。先にページを直す |
グルメサイトやGoogleマップ(MEO)とは役割が違います。グルメサイトの費用の見方はホットペッパーの掲載料や食べログの店舗向けプランの記事に、Googleマップの対策はMEO×インバウンドのページにまとめています。
Google広告の費用の仕組み(公式)
クリックされたときだけ費用がかかる
検索広告の多くは、クリック単価制です。広告が表示されただけでは費用はかからず、クリックされたときに料金が発生します。上限クリック単価を設定した場合、1回のクリックにそれを上回る料金が請求されることはなく、実際の請求額は上限を下回ることが多いと説明されています(クリック単価(CPC) - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。
1日の予算は「平均」。日によって最大2倍になる
Google広告の予算は「1日の平均予算」で決めます。検索の多い日にはその分多く配信されるため、ある日の費用が1日の平均予算の2倍になることがあります。その代わり、1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍を超えません(超過配信と 1 日の平均予算について - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。
月の予算を決めたら、30.4で割った額を1日の平均予算にする、と覚えておけば十分です。
| 月にかけたい広告費 | 1日の平均予算の目安(÷30.4) |
|---|---|
| 5万円 | 約1,650円 |
| 10万円 | 約3,300円 |
| 20万円 | 約6,600円 |
※上の表は計算の例です。お店に合う予算は、次の章の考え方で決めます。
広告費と、代理店の手数料は別もの
代理店に運用を頼む場合、Googleに払う広告費とは別に、代理店の手数料(運用代行費)がかかるのが一般的です。当社の料金は変わることがあるため、この記事には書かず、Google広告運用代行のページに載せています。
予算の決め方:来店1組あたりの費用で考える
「月にいくらかければいいか」は、相場より先に自分の店の1組あたりの利益から考えます。
当社の見方
当社は、Google広告の成果を「実際に来店した組数」で測ります。そして、来店1組を呼ぶのにかかった費用(CPA。獲得単価とも呼びます)を、その1組が店に残す利益と比べます。1組の費用が利益より小さければ、広告は店にお金を残しています。
来店1組あたりの費用は、次の式に分けられます。
- 来店1組あたりの費用 = クリック単価 ÷ クリックから来店につながる割合
この分け方が、あとで数字が悪くなったときの原因探しにそのまま使えます。
計算の例(架空の数字です)
以下はすべて説明のための架空の数字です。実在のお店の数字でも、相場でもありません。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 1組の人数 × 客単価 | 2.5人 × 5,000円 = 1組の売上12,500円 |
| 1組の売上から原価(食材・ドリンク)を引いた額 | 原価を30%とすると、8,750円 |
| クリック単価 | 80円 |
| クリックから来店につながる割合 | 2% |
| 来店1組あたりの費用 | 80円 ÷ 2% = 4,000円 |
| 月の広告費10万円で呼べる組数 | 10万円 ÷ 4,000円 = 25組 |
この例では、1組を4,000円で呼び、1組から8,750円が残ります。ここから人件費や家賃などを考えても採算が合うかを、オーナーが判断します。常連になってくれた場合の2回目以降の来店は、ここには入れていません。最初は入れずに判断し、上振れ分として見るのが安全です。
最初の月は「学ぶための予算」
始めた直後は、どの検索語から来店が生まれるかがまだ分かりません。最初の1〜2か月は、無理に大きくせず、来店の数字が読める程度の予算で始めます。1組あたりの費用が見えてきたら、採算の合う範囲で広げます。
Google広告を始める手順
- 目標を決める:「平日の新規来店を増やす」「宴会の予約を増やす」など、何を増やしたいかを1つに絞ります。目標によって、選ぶ検索語も着地ページも変わります
- 来店の計測を用意する:Google広告には、広告を見た人の実店舗への来店を推定して数える「来店コンバージョン」があります。レストランも対象の例に挙がっていますが、住所アセットを使い、Googleビジネスプロフィールで店舗の確認を済ませていること、クリックや来店の数が十分にあることなどが条件です(来店コンバージョンについて - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。条件を満たさない場合は、予約完了や電話のクリックなど、測れるものを目標に置きます
- 地域を決める:店を中心にした半径や、市区町村などで広告を出す地域を決めます。「所在地」(その地域にいる人)と「所在地やインタレスト」(その地域に関心を示した人も含む)を選べます(広告の対象地域を設定する - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。観光客や、仕事帰りに来る人が多い店は、この違いが効きます
- 時間帯を決める:広告のスケジュールで、広告を出す曜日と時間帯を指定できます。時間帯ごとに入札単価を上げ下げすることもできます(広告のスケジュール設定について - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。満席になりやすい時間や、定休日は外します
- 検索語を選ぶ:「駅名+業態」「エリア+目的(個室・貸切・宴会)」など、来店に近い語から始めます。検索の数はキーワードプランナーで確かめます
- 広告文を書く:検索語に合わせて、店の強み・価格・予約の入口を書きます。広告で約束したこと(人数・価格・コース名)は、着地ページにも必ず載せます
- 着地ページを整える:メニュー・価格・写真・地図・予約の入口が、スマホで最初の画面から分かるようにします
P-MAX(パフォーマンス最大化)はどう使うか
P-MAX は、1つのキャンペーンで検索・マップ・YouTube・ディスプレイなど、Google広告の配信先にまとめて広告を出す、目標ベースの仕組みです。目標には「来店数と店舗売上の向上」も選べます(P-MAX キャンペーンについて - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。
当社は、P-MAXを使う店では来店を目標に置き、画像などの素材の追加を提案します。ただ、配信先がまとめて決まる分、どの検索語から来店が生まれたかは検索広告より見えにくくなります。最初は検索広告で「どの語が来店につながるか」を確かめてから足すほうが、判断しやすくなります。
運用で見る数字と、悪化したときの切り分け
ここからは当社の運用の見方です。
見る数字は3つ
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 来店1組あたりの費用(CPA) | 1組を呼ぶのにかかった費用。いちばん上に置く数字 |
| クリック単価(CPC) | 1回のクリックにかかった費用 |
| 来店につながる割合(CVR) | クリックのうち、来店(または予約)につながった割合 |
表示回数やクリック数は、この3つの原因を探すときに見ます。クリックが増えても、来店1組あたりの費用が悪くなっていれば、良くなったとは言いません。
悪化したら、まず2つに分ける
来店1組あたりの費用が上がったときは、式のどちらが動いたかを見ます。
| 動いた数字 | 考えられる原因 | 最初に見るところ |
|---|---|---|
| クリック単価が上がった | 同じ検索語に広告を出す店が増えた/検索語が広がり、高い語にお金が流れた | 検索語の一覧、競合の広告 |
| 来店につながる割合が下がった | 検索語が店に合っていない/着地ページや予約の入口が弱くなった/広告の約束とページの中身がずれた | 検索語の一覧、着地ページ、予約の入口 |
| クリックはあるのに来店が急に大きく減った | 予約の入口が止まっている、ページが表示されない、計測の設定が外れた、などの異常 | 先に異常を疑い、ページと予約と計測を確かめる |
季節による小さな上下は、前年の同じ月と比べて見ます。
直近2〜3週間は「計測待ち」
来店の数字は、Googleの仕組み上、あとから確定していきます。そのため当社は、直近2〜3週間の来店が少なく見えても「計測待ち」として扱い、慌てて広告を止めません。判断は、数字が落ち着いた期間で行います。
当社の社内の仕組み
当社は、担当店ごとに直近30日とその前の30日を比べ、来店1組あたりの費用やクリック単価の悪化、予算の消化の遅れを社内の画面で知らせています。設定を変えた日にはグラフに印を付け、「何を変えたら、数字がどう動いたか」を並べて振り返ります。画面が知らせるのは異変までで、原因を考えて何を変えるかを決めるのは担当者です。
検索語の足し引き(当社の基準)
広告は、登録した「キーワード」そのものではなく、お客様が実際に打った「検索語」に対して表示されます。検索語の一覧を定期的に見て、足し引きします。
外す(除外キーワードにする)候補
- 費用がかかっているのに、来店がない検索語
- お店と関係のない検索語(例:求人・アルバイト・レシピなど、食べに来る人ではない検索)
- 競合店の店名
除外キーワードを指定すると、その語句を含む検索には広告が出なくなります(キーワードのマッチタイプについて - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。
足す候補
- 同じエリア・同じ業態で、実際に来店につながっている検索語
足すときは、最初は狙いを絞った設定から始めます。Google広告のキーワードには、広い順に「インテント マッチ」「フレーズ一致」「完全一致」があり(同上)、当社は完全一致やフレーズ一致から始め、来店が確かめられてから広げます。
当社では、除外や追加の候補をシステムが挙げ、どれを外すか・足すかは担当者が決めます。一度見送った提案は記録し、同じお店に同じ提案を繰り返さないようにしています。
広告文と着地ページをそろえる
来店につながる割合を上げるいちばん確実な方法は、広告で約束したことを、着地ページでそのまま見せることです。「貸切 30名まで」と広告に書いたのに、ページに貸切の人数が書いていなければ、お客様は予約をやめてしまいます。
自社店舗(モルゲン)の例
当社は自社でも飲食店(モルゲン)を運営しています。モルゲンでは、Google広告の着地ページを、食べログの無料のページから自社の店舗ページに移しました(2026年9月)。理由は2つです。
- 自分で効果を測れる:自社のページなら、広告から来た人がページのどこを見たかを自分で確かめられる
- 自分の資産になる:ページに手を入れた分だけ、自分の店のページが良くなる
予約の受付は、食べログのネット予約のままにしています。着地ページを変えるときも、予約の入口まで作り直す必要はありません。あわせて、広告で約束している内容(貸切の人数など)と、ページに書いてある中身がそろっているかを確かめています。
広告文の見直しは、候補までを機械で、決めるのは人
長く変えていない広告や、反応の弱い広告は、お店の最新のメニューやコースをもとに、AIが書き直しの候補を出します。成績の良い見出しは残し、配信する文面は担当者が決めます。広告アカウントへの変更も、担当者が確認してから反映しています。
代理店を選ぶときの確認項目
代理店に頼むかどうかを考えるとき、または今の代理店を見直すときは、次を確かめてください。
1. 手数料が、始める前に書面で示されているか
Google は、広告を代わりに運用する会社(サードパーティ)に対して、ルールを定めています。Google広告の費用とは別に管理費用(手数料)を請求する場合は、新しい広告主に対して、最初の営業の前に少なくとも管理費用について書面で伝え、明細書にも明記することが求められています(Google サードパーティ ポリシー - Google 広告ポリシー ヘルプ、2026年9月30日確認)。
2. 広告費と手数料が混ざっていないか
同じポリシーで、広告主に Google 広告費のデータを示すときは、Google からの請求額を正確に報告し、代理店の料金を一切含めないことが求められています(同上)。「広告費」として見せられている金額に手数料が混ざっていないか、確かめてください。
3. レポートに、費用・クリック・表示回数が載っているか
契約で月ごとのレポートを出すことになっている場合、アカウントごとに費用、クリック数、インプレッション数(表示回数)のデータを含める必要があります(同上)。そのうえで、当社がレポートで大事だと考えているのは次の2つです。
- 来店(または予約)の数と、1組あたりの費用が載っているか
- 先月何を変えて、結果がどうだったか、来月何をするかが書かれているか
数字の一覧だけのレポートでは、オーナーは次の判断ができません。
4. 「1位を保証」などの言い方をしていないか
同じポリシーでは、虚偽や誤解を招く主張を禁じており、例として「Google との提携を偽って主張する」「Google 検索結果での最上位への広告掲載を保証する」などが挙がっています(同上)。
5. 「Google Partner」の表示が何を意味するか
Google Partner のバッジは、代理店が次の3つの条件を満たしていることを示します(Google Partner または Premier Partner のステータスを得る方法 - Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 実績 | 最適化スコアが最低70% |
| 利用額 | 過去90日間の広告の利用額が、常に1万米ドルを超えている |
| 認定資格 | アカウントマネージャーの50%以上が Google 広告の認定資格を取得している |
条件を満たしているかは毎日確認されます(同上)。資格がないのにバッジを表示することは、サードパーティ ポリシーで禁じられています。
つまりバッジは、一定の運用の量と、資格を持った担当者がいることを示すものです。あなたのお店で成果が出ることを保証するものではありません。バッジに加えて、飲食店の運用経験があるか、上の1〜4を満たしているかを見てください。
よくある質問
いくらから始められますか?
Google広告は、1日の平均予算を自分で決める仕組みです。月の費用は、1日の平均予算の30.4倍を超えません(Google 広告 ヘルプ、2026年9月30日確認)。ただ、少なすぎると来店の数字が読めず、判断ができません。1組あたりの利益から逆算して決めてください。当社に運用を頼む場合の条件はサービスページに載せています。
効果はいつ分かりますか?
来店の数字はあとから確定していくため、当社は直近2〜3週間の数字を「計測待ち」として扱います。始めてすぐの数字で止めたり広げたりせず、数字が落ち着いた期間で判断します。
自分で運用できますか?
できます。この記事の手順どおりに、目標・来店の計測・地域・時間帯・検索語・広告文・着地ページを決め、検索語の一覧を定期的に見て足し引きすれば、基本は回せます。営業の合間に続けるのが難しい、数字の見方に自信がない、という場合は代理店を検討してください。
グルメサイトとGoogle広告は、どちらを優先すべきですか?
役割が違うので、どちらか一方とは限りません。グルメサイトはサイトの中で探す人に、Google広告は検索する人に届きます。お店の予約がどこから来ているかを見て、伸びている入口にお金を回すのが当社の考え方です。
今の代理店のレポートがよく分かりません。
まず、レポートにGoogleからの請求額(手数料と分けたもの)、費用・クリック数・表示回数が載っているかを確かめてください。そのうえで、来店の数と1組あたりの費用、先月何を変えたかを代理店に聞いてみてください。
飲食店のGoogle広告は、STABBLEにご相談ください
当社は、飲食店に特化してGoogle広告を運用しています。成果は「来店1組あたりの費用」で測り、検索語の足し引きや広告文の見直しは、担当者が判断して進めます。月に一度オーナーと打ち合わせ、結果と次に変えることをご報告します。