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飲食店のリピート率とは?測り方と上げ方、リピーターを増やす3原則

更新 (公開 2021年2月5日) / グルメサイト運用

リピーターは、店の売上を毎月下から支えてくれるお客様です。広告を止めても来てくれて、友人を連れてきてくれることもあります。

ところが「リピート率を上げたい」と言っても、何を分母に何を数えるかは店によってばらばらです。定義がそろっていないまま「目安は〇%」という数字と比べても、打ち手は決まりません。

この記事は、飲食店に特化したWEB集客のコンサルティング会社である株式会社STABBLEが書いています。当社は自社でも飲食店(モルゲン)を運営しています。調査データに加えて、自店でリピートをどう測り、どう改善しているかの仕組みも開示します。

この記事の結論

  • リピート率は2種類あります。 「お客様の外食のうちリピート利用の割合」と「店に来た新規客が再来店した割合」は別物です。自店で追うのは後者と、売上に占めるリピーターの割合です
  • 「期待を超えた満足」がリピートを分けます。 2024年の調査では、期待を超えて満足した人の37.5%が強いリピート意向を持ち、期待ほどではなかった人では12.9%でした
  • 測れないものは測れないと認めます。 POSの伝票に客の識別子が無ければ、誰が再来店したかは分かりません。LINEや予約台帳で来店と客を結びつけて、初めて測れます
  • 改善は低評価から読みます。 当社の店では、低評価のアンケートを当日中に店へ共有し、店長が週1回、改善点から読んでいます

飲食店の「リピート率」は2種類ある

「リピート率」という言葉は、見る側によって意味が変わります。まず定義をそろえます。

お客様から見たリピート利用の割合

お客様1人の外食のうち、前にも行った店をまた使った割合です。

リクルートのホットペッパーグルメ外食総研の調査(2019年2月、首都圏の20〜64歳、2,106人)では、1週間の外食のうちリピート利用が77.3%、初めての店は22.7%でした。業態別で最も高いのは牛丼・カレーなどの一品もの専売業態で95.1%、喫茶店・カフェでも83.8%でした(飲食店リピート実態&リピート要因調査、2019年10月公開)。

ぐるなびのユーザー調査(2024年4月、1,996人)でも、6ヶ月以内に同じ店を複数回利用した人は76.9%でした(ぐるなびPRO、2024年5月公開)。

つまり、お客様の外食の大半は「知っている店」です。新しい店を開拓する機会は、もともと少ないということです。

ただし、これはお客様側の数字です。「自店に来た新規客の77%が戻ってくる」という意味ではありません。

店から見た新規再来店率とリピーター比率

店が自分で追う数字は、主に次の3つです。

指標計算式
新規再来店率期間中に初めて来た客のうち、決めた日数以内に再来店した人数 ÷ 初めて来た客の人数
リピーター比率(客数)期間中の来店客のうち、2回目以降の人数 ÷ 来店客の人数
リピーター売上比率期間中のリピーターの売上 ÷ 期間中の売上

計算例(数字は説明のための仮のものです):

  • 4月に初めて来た客が200人。そのうち90日以内にもう一度来た人が40人なら、新規再来店率は20%
  • 4月の来店客が1,000人。そのうち2回目以降の人が450人なら、リピーター比率は45%

同じ店でも、どれを「リピート率」と呼ぶかで数字は大きく変わります。社内で話すときも、どの式の数字かを必ず添えてください。「90日以内」のような再来店の期限も、業態に合わせて先に決めておきます。

「リピート率の目安」「1:5の法則」をそのまま信じない理由

「飲食店のリピート率は〇%が目安」という数字をよく見かけます。しかし、調べた範囲では、調査名・対象・定義を示した一次出典のあるものは見つかりませんでした。上で見たとおり、定義が違えば数字は何倍も変わります。他店の目安より、自店の前月・前年と比べるほうが確実です。

「新規客の獲得には既存客の5倍のコストがかかる(1:5の法則)」という話もよく言われますが、出どころははっきりしません。マーケティング用語の解説でも出典が明確でないとされています(ミツエーリンクス)。ハーバード・ビジネス・レビューの記事は、倍率は研究や業界によって5〜25倍と幅があると書いています(HBR, 2014)。

新規客を呼ぶ費用とリピーターを保つ費用のどちらが重いかは、店によって違います。広告費と客数を自店で並べて確かめてください。

自店のリピート率を測る手順

  1. 定義を決める: 上の3つのうち、どれを追うか。再来店の期限(例:90日以内)も決める
  2. 客と来店を結びつける手段を決める: 予約台帳、LINE、会員カードなど、「誰が来たか」が分かる記録を用意する
  3. 月ごとに記録する: 毎月同じ日に、同じ式で集計する
  4. 同じ条件で比べる: 月の途中なら、前月・前年の「同じ日数分」と比べる
  5. 理由と並べて見る: 数字が動いたら、アンケートの自由記述など「なぜ」が分かる情報と並べて読む

使うデータ

データ分かること分からないこと
POS(レジ)客数、客単価、売れたメニュー伝票に客の識別子が無ければ、誰が再来店したか
予約台帳予約した人の名前・電話番号から、再来店かどうか予約なしで来たお客様
LINE公式アカウント来店時にチェックインしてもらえば、来店と客を結びつけられるチェックインしなかったお客様
Googleビジネスプロフィール検索・マップで見られた回数、経路検索や電話の数誰が来たか、再来店したか

当社の飲食店での測り方

当社の店では、次のように測っています。

  • リピーター率: LINEでチェックインしたお客様のうち、再来店した人の割合
  • リピーター売上比率: 売上のうち、リピーターの売上の割合
  • 紹介経由の割合: 知人の紹介で来たお客様の割合

リピーター率とリピーター売上比率は、分母が違うので別々に見ます。同じグラフに並べると、どちらが動いたのか読み違えるからです。

月の途中で見るときは、前月・前年の「同じ日数分」と比べます。データが取れなかった月は0ではなく「−(欠測)」として扱います。0と書くと、リピーターが本当にいなかった月と区別がつかなくなります。

測れないこと

正直に書くと、当社の店でも測れないことがあります。

POSの伝票には客の識別子が無いので、「リピーターが何を頼んだか」は出せません。LINEで来店と客を結びつけない限り、リピートは正確には測れません。チェックインしないお客様の分は、数字から漏れています。

完璧な数字を待つより、「この数字はここまでしか分からない」と決めたうえで、毎月同じ方法で追い続けることが大切です。

お客様がリピートしない理由 チェックリスト

先ほどの2019年の調査では、リピートする店を選ぶときに重視する点も聞いています。

重視する点(回答の割合)自店で確かめること
料理がおいしい(69.6%)看板メニューの味が日によってぶれていないか。混んだ日に質が落ちていないか
コストパフォーマンスが良い(48.6%)価格に対して、量・質・体験が見合っているか
席がゆったりしている(40.4%)詰め込みすぎていないか。長居しにくい席になっていないか
アクセスがよい(40.2%)駅からの道順、営業時間、予約のしやすさが、Googleマップやグルメサイトで正しく伝わっているか
清潔感がある(33.3%)トイレ、テーブル、メニュー表、スタッフの身なり
顔なじみの店員がいる(8.6%)名前や好みを覚える前に、上の4つが足りているか
常連扱い・特別扱いしてくれる(6.2%)特別扱いより、毎回同じ品質で迎えられているか

注目したいのは、「常連扱い・特別扱い」を重視する人が6.2%しかいないことです。お客様がまた来る理由は、まず料理と価格と居心地です。

このほか、現場でよく聞く「リピートしない理由」は次のとおりです。

  • スタッフの接客に不満があった
  • 料理の量や価格が、写真や口コミで想像したものと違った
  • 店内が不衛生、設備や雰囲気が良くなかった
  • 立地や営業時間が通いにくい
  • 悪い印象はないが、特に良い印象もなく、店を忘れていた

最後の「忘れていた」は、不満がないぶん気づきにくい理由です。次の3原則の2つ目と3つ目で扱います。

リピーターを増やす3原則

1. 満足度の式を理解する

お客様の満足度は、次の式で考えると整理しやすくなります。

満足度 = 利用したときの実感 - 利用する前の期待

2024年のホットペッパーグルメ外食総研の調査(首都圏・関西圏・東海圏の20〜69歳、有効回答9,606人)は、この考え方を数字で裏づけています(飲食店への期待と満足度、リピート意向についての調査、2024年5月発表)。

初めて利用した店への満足度強いリピート意向(すでにリピートした+すぐリピートしたい)
事前の期待を超えて満足37.5%
事前の期待ほどではない12.9%
事前の期待より大きく劣る10.6%
回答者全体27.0%

同じ調査で、「期待相当以上」に満足した人は87.0%でした。期待どおりは、もう当たり前です。差がつくのは、期待を超えた32.4%に入れるかどうかです。

実感を上げ、期待を上げすぎない。そのために押さえることは3つです。

  • 店の質を保つ: 料理・雰囲気・接客を、いつ来ても同じ水準に保つ。アンケートや口コミから改善点を拾い、直し続ける
  • 値段を見直す: 金額以上の味や価値を出せているか、定期的に確かめる
  • 期待を上げすぎない: 実物と違いすぎる写真や、誇張した紹介文を使わない

期待を作る場所も分かっています。同じ調査で、初めての店への期待を作った情報源は、グルメサイト・口コミサイト26.4%、店構えや店先のメニュー22.2%、家族・友人・知人の口コミ14.7%、SNS 11.1%でした。SNSは20代で高く、女性28.1%、男性26.2%です。

グルメサイトの写真、店先の看板、SNSの投稿。この3つが実物とずれていないかを見直すことが、期待を「超えられる高さ」にそろえる第一歩です。

2. ピーク・エンドの法則を意識する

ピーク・エンドの法則は、心理学者ダニエル・カーネマンらの研究で知られる考え方です。人は体験を振り返るとき、全体の平均ではなく、最も感情が動いた瞬間(ピーク)と、終わりの瞬間(エンド)の印象で評価しやすい、というものです。

飲食店に置き換えると、次のようになります。

場面飲食店での例意識すること
ピーク看板料理が運ばれてきたとき、一口目提供の仕方、料理の説明、一番おいしい状態で出せているか
エンド会計から退店まで待たせない会計、忘れ物の声かけ、見送りの一言

「悪い印象はないが、特に覚えていない」店は、次の店選びで思い出してもらえません。全部を完璧にするより、ピークとエンドの2か所に手をかけるほうが、限られた人手でも印象に残せます。

3. 来店後の接点を持つ

お客様が店を忘れる前に、もう一度思い出してもらう接点を用意します。

  • Googleビジネスプロフィール: 新メニューや営業時間の変更を投稿する。口コミには、良い内容にも悪い内容にも丁寧に返信する。返信は、これから来るお客様にも店の人柄を伝えます
  • LINE公式アカウント: 友だちになってもらったお客様に、新メニューや季節の案内を届けられる。予約や来店のチェックインにも使える
  • Instagram・X: 料理や店の様子を発信し、フォローしてくれたお客様の目に定期的に入る

どの接点も、送りすぎると逆効果です。お客様が「知ってよかった」と思う情報に絞ってください。

Instagramの使い方は、飲食店のインスタ集客の記事で詳しく書いています。

当社の飲食店で続けていること

満足度の式でいう「実感」を下げている原因は、店の中からは見えにくいものです。当社の店では、来店客向けのアンケートでそれを拾っています。

アンケートの設問

外部のアンケートサービスを使い、LINEで回答してもらっています。

形式設問
5段階評価味、提供スピード、接客、清潔感、再来店の意向(総合はこの5つの平均)
選択式店を知ったきっかけ、利用目的
自由記述気になった点・改善点、最も満足したメニュー、良かったスタッフ

「再来店の意向」を点数で聞いているのは、実際の再来店を測れないお客様についても、リピートの兆しを見るためです。

低評価は当日中に店へ知らせる

総合評価が3.0以下の回答は、当日中に店へ知らせています。

3.0にしたのには理由があります。2.0では、本当に不満を持ったお客様を拾いきれませんでした。4.0では通知が多すぎて、大事な1件が埋もれました。その間を取ったのが3.0です。

通知には、LINEの名前・性別・年齢といった個人情報は載せません。店が知るべきなのは「誰が」ではなく「何が」だからです。

店長は週1回、改善点から読む

店長は週に1回、前週のアンケートの自由記述を読みます。そのとき、点数の低い回答の改善点から読みます。

満足した声から読むと、安心して手が止まります。直すべきことは、低い点数の回答に書かれています。

リピーター確保の施策

お客様との接点を、来店前・店内・退店後に分けて整理します。

段階施策ねらい
来店前グルメサイト・Googleビジネスプロフィール・SNSの写真とメニューを実物に合わせる期待を上げすぎない(満足度の式)
来店前予約時に名前と連絡先を残してもらう再来店を測れるようにする
店内看板料理の出し方、一口目を磨くピークをつくる
店内混雑時も提供スピードと清潔感を保つ実感を下げない
店内アンケートやチェックインの案内を置く声と来店の記録を集める
退店後会計と見送りを丁寧にするエンドを良くする
退店後低評価の声を当日に共有し、週1回まとめて直す次のお客様の実感を上げる
退店後口コミに返信する。Googleビジネスプロフィールで新メニューを知らせる店を思い出してもらう

口コミサイトとの付き合い方は、食べログの口コミの記事も参考にしてください。

よくある質問

飲食店のリピート率の目安は何%ですか?

一次出典のある共通の目安は見当たりません。定義(分母と再来店の期限)が店や記事によって違うため、他店の数字とは比べにくいからです。自店で定義を決めて、前月・前年の同じ期間と比べてください。

POSしかない小さな店でも、リピート率は測れますか?

POSの伝票に客の識別子が無ければ、誰が再来店したかは分かりません。予約台帳の名前や電話番号、LINEのチェックイン、会員カードなど、来店と客を結びつける記録を1つ用意すれば、その範囲で測れます。測れない分があることを前提に、毎月同じ方法で追うことが大切です。

リピーターと常連は何が違いますか?

リピーターは2回以上来たお客様全体を指し、常連はその中でも来店の間隔が短く、店と顔なじみになっているお客様を指すことが多いです。調査では、リピートする店を選ぶときに「常連扱い・特別扱い」を重視する人は6.2%でした。まずは2回目の来店を増やすことが先です。

新規集客とリピーター確保、どちらを優先すべきですか?

どちらか一方ではありません。新規客が来なければリピーターも生まれず、新規客が戻らなければ広告費がかさみ続けます。新規再来店率が低いなら店内の体験を、リピーター比率が高いのに客数が減っているなら新規集客を見直す、というように、数字で順番を決めてください。

集客とリピートの両方を、数字で見直したい方へ

STABBLEは、Googleビジネスプロフィール、Google広告、グルメサイト、SNSを使って、飲食店のお客様を増やすことを担うコンサルティング会社です。自社で飲食店を運営し、その運営で使っている測り方や改善の仕組みを、提案の材料にしています。

「新規は来るのに戻ってこない」「そもそもリピート率をどう測ればいいか分からない」。そんな段階からでもご相談ください。

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