飲食店がインスタで集客しやすい理由
SNSを使った集客は年々拡大していて、今やグルメサイトと同じショーケースの中といっても過言ではありません。 SNSの中でも特に注目を集めているのがInstagram(以下インスタ)です。特に飲食店が新メニューやクーポンなどを投稿し、店の宣伝をしている姿をたびたび見かけるようになりました。 シンクロ・フードが飲食店.COM会員を対象に「現在SNSを活用した集客を行っているか」とアンケートを実施したところ、82.6%もの店舗が「はい」と答えています。 さらに利用しているツールは、インスタが59.5%を占め、2位のFacebook(19.3%)に大差をつけて1位となっています。 この結果からも分かるよう、飲食店の集客に必須となったインスタ。 これは、インスタの特性と飲食店の集客に親和性が高いという証拠でもあります。まずは、飲食店がインスタで集客しやすい理由を知っておきましょう。ユーザーが増加中だからお店に合わせたターゲットを狙える
インスタは2018年時点で、全世界のユーザー数が10億人を突破し、日本ではLINE、Twitter、YouTubeと肩を並べる、利用率の高いSNSです。 ※出典:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 これまで若者中心のイメージがインスタですが、40代以上のユーザーもだんだん増えてきており、これからも増加していく傾向にあります。 そのため、インスタでの発信はお店のコンセプトに合わせたターゲットはもちろん、これまで出会いのなかったユーザーにも閲覧してもらえるかもしれません。 また、飲食店を探すツールとして、グルメサイト感覚でインスタを使っているユーザーが多くなりました。 そのため、飲食店の投稿にも関心が集まりやすくなっていて、集客につなげるチャンスが増えるという効果も生まれています。 ■若者のグルメサイト離れが深刻!?こちらをチェック↓ 若者のグルメサイト離れが深刻!若年層の集客に効果的な方法とは?視覚からアプローチできる
インスタは写真や動画を中心としたSNSなので、 今にも溢れそうな肉汁、つやつやと光った脂、アツアツの湯気など料理のしずる感を、視覚からアピールすることができます。 “インスタ映え ”を意識して写真を撮るだけでも、ユーザーの興味をそそることが可能で、飲食店の魅力を伝えるには抜群のツールです。 最近はリールという動画も注目され、より視覚効果が大きくなっています。リアルタイムで発信、コミュニケーションが取れる
インスタは投稿という機能で写真や動画を発信できたり、24時間で消えるストーリーズやライブ配信も行えます。 店のメニューや内観などを伝えるだけでなく、「今」を伝えることができます。 例えば「現在個室にご案内可能です」や、 「限定メニュー残りわずかです」など、リアルタイムでお店の発信がしやすいのが魅力でしょう。 また、店側が一方的に発信するだけでなく、投稿へのコメントやDMで、ユーザーからもアクションを起こすことが可能です。 投稿にコメントをくれたユーザーと上手にコミュニケーションを取れば、店のファンになってもらえる可能性も高まります。 そして、新規顧客の獲得だけでなく、リピート客の獲得にも期待できるのが◎。 自店のアカウントをフォローしてくれているユーザーに向け、イベントやクーポン情報などを発信すれば、再訪のきっかけにもなるでしょう。拡散されれば一躍有名になるチャンスも!
SNSで誰もが憧れる「バズ」。 英語の「buzz」が語源で、 ハエなどが飛び回る様→盛り上がっている→多くの注目を浴びている、という流れでバズるという言葉が定着しました。 インスタにはシェア機能がないのでTwitterほど拡散力はありませんが、 インスタのアルゴリズムを理解すれば多くのユーザーの目にとめてもらうことも可能。 何千、何万のいいねでバズることができれば、一気に店の知名度は上がり有名店の仲間入りができるかもしれません。 投稿を目にとめてもらうテクニックについては、後ほど詳しくご紹介します。初心者OK!インスタ集客の始め方
「まだ店舗のインスタを始めていない」という方もご安心ください。 インスタは誰でもいつからでも無料で始められます。 わかりやすいよう4ステップで解説するので、ぜひ参考にしていただきインスタ集客の準備をしましょう。①Instagramアプリをダウンロード
インスタを始めるために、まずはスマートフォンにInstagramアプリをダウンロードします。 App Storeからのダウンロードはこちらから Google Playからのダウンロードはこちらから②ビジネスアカウントを作成して内容を充実させる
ダウンロードが完了したらアプリを開いて、個人アカウントを作成していきます。 作成に必要なのはFacebookアカウント、電話番号、メールアドレスのいずれかなので、どれを紐づけるか決めておきましょう。 次にユーザーネーム、名前(ユーザーID)を決めます。 ユーザーネームはアカウントを識別するためのもので、他のアカウントと同じものは使用できません。 また、投稿やストーリーズ、リールなどに使われ、1番多く目に留まる機会があります。 後で変更も可能ですが、自分を識別してもらう名前として変更しない方が運用しやすいので、何にするか慎重に決めましょう。英数字と一部の記号のみ使用可能です。 名前は日本語も使えるので、ユーザーネームを日本語にしても良いですし、 呼びやすいニックネームなどにしてもOK。 他にも、アカウントの顔となるプロフィール写真の設定、 どんな店なのかを紹介するプロフィール文を作成してください。個人アカウントからビジネスアカウントへの変更方法
アカウント登録が終わったら、さっそく行いたいのがビジネスアカウントへの切り替えです。 個人アカウントでは使えないツールが使用可能になり、インスタをビジネスとして運用するのにとても役立ちます。 例えば、プロフィール部分に「連絡先」などのアクションボタンを設置して予約へ繋げることができたり、「インサイト」でフォロワーの動向が把握できたり、広告が打てるようにもなります。 しかも広告以外は無料で利用できるので、必ずビジネスアカウントへ変更しておきましょう。 変更方法は以下の通りです。【三本線をタップ】→【設定】→【アカウント】→【プロアカウントに切り替える】→【ビジネスを選択】→【変更完了】
③来店につなげる動線づくりを忘れずに
インスタは、フォロワーやいいねの数を増やすことが目的だと勘違いしやすいですが、飲食店のインスタ運用の目的は来店してもらうことです。 「お店に行ってみたいな」と思ったユーザーを逃さないよう、予約につながる動線を作っておきましょう。 インスタに予約の動線がないと、Googleなどで検索をし直す手間が発生します。 そのワンアクションの煩わしさから離脱してしまうユーザーは多く、チャンスロスとなる事も少なくありません。 現在インスタでは、大手グルメサイトのぐるなびやRetty Orderなどと連携ができ、 アクションボタンからインスタ内で予約が完結できるようになりました。 また、出前館・Uber Eatとも提携し、テイクアウトにも対応しています。 店が現在利用しているグルメサイトなどに合わせてアクションボタンは必ず取り入れ、 予約の動線を作りましょう。ぐるなびとの連携方法
【プロフィールから「プロフィールを編集」をタップ】→【アクションボタン】→【席を予約する】→【Gurunavi】→【ぐるなびのログイン画面】→【指示に従って手続き】→【ぐなびからの席予約のアクションボタン設置完了】
■ぐるなびで集客する方法はこちらから↓
ぐるなびを上手に使って集客!掲載料やプランを知ってお店の武器にしよう
④投稿を駆使して店のファンを増やす
ここまで準備が整ったら、店の魅力を発信していきます。 インスタには、 静止画や動画を投稿するフィード投稿(通常投稿)、動画をスマホのフルスクリーンで表示できるリール投稿、 24時間後に自動で消えるストーリーズ投稿、アプリ上で生放送ができるインスタライブ配信などがあります。 何をどのようにして伝えたいのかということに合わせ、投稿方法を選ぶのが重要。 投稿のコツは次の章で詳しくご紹介するので、まずは写真を気軽に投稿できる基本のフィード投稿を覚えましょう。基本のキ!フィード投稿のやり方
フィード投稿は、既存の写真や動画を投稿する方法と、アプリから新しく撮影したものを投稿する方法の2通りがあります。 ① 既存の写真や動画を投稿する方法【アプリの「+」マークをタップ】→【下に出てくるカメラロールから投稿したい画像や動画を選び「次へ」をタップ】→【編集、フィルタ、トリミング、カバーなどで加工(しなくてもOK)】→【キャプションを入力して「シェア」をタップ】
② インスタアプリから撮影して投稿する方法
【アプリの「+」マークをタップ】→【カメラマークをタップ】→【写真か動画を撮影】→【編集、フィルタ、トリミング、カバーなどで加工(しなくてもOK)】→【キャプションを入力して「シェア」をタップ】
インスタ集客を成功させるための5つのコツ
インスタが始められたら、いよいよ集客するための運用を開始しましょう。「そうは言っても、何をしたら良いの?」という方も安心してください。 インスタを集客につなげるためには、次の5つのポイントを押さえるだけ。 ①ターゲットを明確にする ②ハッシュタグをしっかりつける ③定期的な投稿が効果的 ④投稿のトレンドはリールへ移行 ⑤インサイト機能でしっかり分析 それぞれ具体的に何をしたら良いのか、詳しくご紹介します。①ターゲットを明確にする
「誰に向けて発信しているのか」が、インスタを運用する上で1番大切と言っても過言ではありません。そのためにまずはターゲットを明確にする必要があります。 すでに飲食店を経営しているなら、お店のコンセプトを思い出してみましょう。年齢や性別、職業や所得などから、どの層に向けたお店にしようと考えていましたか? インスタグラムも店舗のコンセプトに沿ったターゲットに向けて発信することで、求めるユーザー層からのフォローが得られたり、投稿に統一感が生まれたりします。コンセプトに合わせた投稿例
例えば、学生を狙っているならお得感を出すため割引キャンペーンやクーポン情報を知らせたり、 親近感を持ってもらうため、キャプションをカジュアルな口語で書くのもおすすめです。 ある程度お金にゆとりのある30〜40代がターゲットなら、貴重な日本酒やビールの入荷を前面に押し出してみたり、 高級食材を使用していることをアピールしたりするなど、ターゲットに寄り添って投稿内容を考えてみましょう。 次の画像は、弊社が運営している居酒屋『もるげん』の投稿例です。 限定であることを伝えながら高級感を演出し、ターゲットにアプローチしています。 つい、多くのユーザーにリーチしたいと思ってしまいますが、 可能な限りターゲットを絞ることで、コアなファンを獲得できるようになります。 ■飲食店のコンセプトを決める手順はこちらをチェック↓ 飲食店開業を成功させる!4つのコンセプト設計で勝利する方法とは?②ハッシュタグをしっかりつける
ハッシュタグとは「#(ハッシュマーク)」の後ろに、キーワードとなる言葉を入れたものです。 投稿の説明文にあたる、キャプションという部分にハッシュタグをつけることで、 そのハッシュタグで検索したユーザーに投稿が表示されます。 例えば、「居酒屋」で検索したユーザーには、「#居酒屋」のハッシュタグが付いた投稿が表示される仕組みです。 インスタには拡散機能がないので、自分の投稿を見つけてもらうためにはハッシュタグが必要不可欠。 フォロワー以外に露出できる数少ない方法なので、ハッシュタグの使い方はマスターしておきましょう。上手なハッシュタグのつけ方
ハッシュタグは一投稿に対して最大30個まで。文字数上限はiOSで99文字、Androidで150文字となっています。 その制限を守った上で、投稿内容に関連したキーワードを選びましょう。 というのも、ハッシュタグは関連性が重視される傾向にあるので、人気のハッシュタグだからといって無関係のキーワードを使うのはおすすめしません。 実際にハッシュタグを選ぼうとすると、いくつも思い浮かんでどれにしようか悩むはず。そこでポイントにしてほしいのが、ボリューム数です。
・10万投稿以上あるビッグハッシュタグ
・1万〜10万投稿程あるミドルハッシュタグ
・1万投稿以下のスモールハッシュタグ
この3つから、それぞれバランス良く選定してください。
ボリュームが多いハッシュタグはそれだけ人気が高く、多くのユーザーに見てもらえるチャンスがある反面、
投稿数が多すぎて埋もれてしまう可能性があります。
ミドルハッシュタグ、スモールハッシュタグも取り入れることでより具体性が高まり、ユーザーのニーズとマッチしやすくなります。
【ビッグハッシュタグ】
飲食に関連した、広く認知されている単語や言葉から選ぶ。店舗の業態やエリアを入れておくのがおすすめ。
「#居酒屋」「#五反田」「#お酒好きな人と繋がりたい」など。
【ミドルハッシュタグ】
投稿に出てくるメニューやブランド、食材などがおすすめ。
「#刺身盛り」「#獺祭」「#比内地鶏」など。
【スモールハッシュタグ】
店名やお店のキャッチフレーズなどから選ぶ。
「#魚の美味しさを知ってほしい」など。
ハッシュタグのボリューム数は検索窓から調べることができるので、
気になるキーワードがどれほど投稿されているかチェックしながら選定してください。
③定期的な投稿が効果的
インスタの投稿頻度にも注目してみましょう。投稿数が多いほど多くのユーザーにリーチできる可能性がありますが、 投稿頻度が高すぎるとフォロワーのタイムラインを埋めてしまい、鬱陶しいと思われてしまうかもしれません。 また、ユーザーは量より質を求める傾向にあり、有益な情報がない投稿ばかりしているとフォローを外されることも。 もちろん投稿が少ないアカウントもフォロー解除の対象になりやすいので、適切な頻度の投稿が重要です。 理想は2、3日に1回程度。ユーザーが有益と感じるようなクオリティーを保ちながら、無理なく投稿できる頻度を設定しましょう。ストーリーズはどんどん投稿しよう
ストーリーズは短い動画や画像を、フルスクリーンで投稿できる機能です。 リールと似ていますが、ストーリーズは1ストーリー最大60秒、投稿後24時間で自動削除されるという特徴があります。 そして、何度投稿しても過去のストーリーが埋もれてしまうことはなく、アイコンをクリックすれば連続再生されるのが大きなポイント。 フォロワーのタイムラインに影響しないので、投稿頻度が多くても鬱陶しさがありません。 また、スタンプを使えば質問やアンケートが設置できるなど、投稿のコメントより気軽にユーザーとコミュニケーションが取れます。 本日の営業時間やスタッフ紹介など、店のリアルタイムの発信にも適しているので、上手に取り入れてみてください。④投稿のトレンドはリールへ移行
フィード投稿だけではなく、ぜひ取り入れてもらいたいのがリール投稿です。 リールは縦長サイズの動画を、最長90秒で投稿できる機能。 スマホの画面いっぱいに表示され、フィード投稿の動画と比べると没入感が高まります。 また、フィード投稿と同じように「いいね」や「コメント」機能も使え、プロフィール画面に行かずフォローも可能。 インスタアプリにはリール専用のタブがあり、公式が力を入れているのもおわかりいただけるでしょう。 フィード投稿はすでに質の高いものが席巻していて、初心者が簡単に太刀打ちできない場面も多くなっています。 しかし、リールならジャンルやハッシュタグ次第では開拓の余地があるので、特に新規フォロワーを獲得したいという時におすすめです。リール投稿を成功させる3つのポイント
①最初の3秒で興味を惹く
②速いテンポを意識する
③ターゲットに沿ったトレンドの音源を使う
最後までリール動画を見てもらうためには掴みが肝心。まずはインパクトを重視し、そこから最後まで流れるようなテンポで進めば、飽きることなく見てもらえます。
それを支えるのがバックミュージックなので、お店のコンセプトやターゲットに合った流行の音源を取り入れて興味を惹きつけてください。
また、インスタアプリで簡単に動画編集ができるのも嬉しいポイント。
動画だけ撮影しておき、音源やエフェクトなどは用意されているものを選ぶだけでも完成するので、ぜひチャレンジしてみましょう。
ハイライトをリール動画に変換する機能がリリース
ハイライトとは、これまで投稿したストーリーズをプロフィール欄に残しておける機能です。 このハイライトからリール動画が作れるという新機能がリリースされたので、投稿方法をチェックしておきましょう。【リールにしたいハイライトを選択】→【画面下の「作成」をタップ】→【音源を選択】→【ハイライトの順番を変えたい場合は「クリップを編集」をタップ】→【表示時間の調整(しなくてもOK)】→【キャプション等を入力して「シェア」ボタンをタップ】
リールの作成は意外と工数がかかり、大変と感じる方も少なくありません。
しかし、ストーリーズをハイライトにストックしておけば簡単にリールに変換することができ、新しくネタを考えたり動画を編集したりする時間を削減できます。
この変換機能を上手に活用して、フォロワーの獲得に活かしてみてください。
⑤インサイト機能でしっかり分析
インサイト機能は、プロアカウントに変更していれば誰でも無料で利用できる分析ツールです。 フォロワーの属性や投稿の効果、アクティブユーザー数などがわかり、数字的根拠から自店アカウントの弱点や問題点を見つけることができます。 そして、業務の品質向上に欠かせないPDCAを、再現性高く効率的に回せるようになるのが大きなメリット。 PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のことで、 インサイト機能を使うことでCheck(評価)が簡単にでき、Action(改善)に進みやすくなります。インサイトで確認したいポイント
インサイトは大変有能で、いくつもの詳細なデータを見ることができます。 毎回一つひとつチェックするのは大変なので、保存率・ホーム率・プロフィール移動率・フォロワー転換率の4つを意識して確認しましょう。確認したい数値 | 計算方法 | 目標値 | 目標値に向けた改善点 |
保存率(投稿がどれだけ保存されたかの割合) | 保存数÷リーチ数 | 2% | 1回見て終わりではなく、再度見直したいと思わせるクオリティーの投稿が必要。 |
ホーム率(タイムラインからフォロワーが投稿を見た割合) | ホーム数÷フォロワー数 | 60% | フォロワーとの親密度が重要なので、ストーリーズを活用してコミュニケーションをとる。 |
プロフィール移動率(投稿からプロフィールに移動したアカウントの割合) | プロフィールアクセス数÷リーチ数 | 3% | 他の投稿も見たいと思ってもらうことが重要なので、これまでの投稿を紹介したり次回の投稿を予告したりする。 |
フォロワー転換率(プロフィールに移動したユーザーの中で、フォロワーになった割合) | フォロワー増加数÷プロフィールアクセス数 | 6% | プロフィール欄を見てフォローしたいと思われることが重要なので、どんなアカウントなのかを明確にし、ハイライトなどを駆使して中身を充実させる。 |